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読書

2009 - 01/05 [Mon] - 20:27

第一義の道・赤蛙 (講談社文芸文庫)第一義の道・赤蛙 (講談社文芸文庫)
(2006/03)
島木 健作

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島木健作の作品集。自身が活動家であり、検挙されてから転向した、という経験をお持ちの方なので、作品内にもそういう生き様が描かれている。
 
 表題作の「第一義の道」は、出獄してきた主人公と、老いた母を中心に話が進む。出獄した順吉は昔の活動家友人に会うが、みな商業主義に走っており、それに対して順吉はやりきれない怒りを覚える。老いた母は、妹の家に間借りさせて貰っているが、妹夫婦に小言を言われ、いつもオドオドしながら生きている。
 義に生きるのが良いのか。それとも良い生活、安定した生活を求めて生きるのが良いのか。双方に言い分はあるだろうし、僕にはどちらが良いのかよく分からない。
 ただ、どちらにせよ。信念に従って生きるも良し、金儲けに走るも良し、女遊びに生きるも良し。自分にとっての第一義の道を持っていることは、大事なことだと思う。僕はいつも振り返りながら歩いているけれども。

 「黒猫」「ジガ蜂」は随筆っぽい心境小説。それぞれ生き物を見ながらの作品なので、なんとなく志賀直哉の「城の崎にて」とか思い出してしまう。
 その中でも、毅然とした態度をとる大きな黒猫や、堕落した飼い犬についての重いなどを綴った「黒猫」には、転向についての島木さんの思いがリアルに書かれている気がした。
 
 長すぎず、短すぎず、程よいテンポでたんたんと語られる。静かな文章の中に島木さんの信念が伺える。それに比べて僕は。

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