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読書

2008 - 12/04 [Thu] - 01:27

願い星、叶い星 (奇想コレクション)願い星、叶い星 (奇想コレクション)
(2004/10/22)
アルフレッド・ベスター

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 デザインが素敵でおなじみの奇想コレクションシリーズ。今回はベスターです。

 アルフレッド・ベスターは、そこまで有名ではないSF作家。長編の「分解された男」と「虎よ、虎よ」がかろうじて名が知れているといったところ。そんなベスターの短編集。

 ベスターの特徴を言うなれば、とても面白い会話の使い方をする人だなぁ、というのがまず挙げられる。
  「ごきげん目盛り」で最初に書かれる人々の会話 「ここは調べた。いない」「ここにもいない」「いない」 この問答みたいな会話には、なんだか不思議な感じを受ける。もっと短くコンパクトに省略できるだろう。だが、このデュマみたいな会話表現は良いテンポを生み、ベスター独特の文体を確かに作り出しているし、何よりも、そのテンポは「ごきげん目盛り」の陽気なリズムによく似合うのだ。

 その「ごきげん目盛り」は熱で狂ったアンドロイドが人をころしてしまう話。それだけ言ってしまうと元も子もないが、文のリズムと挿入される歌が非常に良い味を出していて、なかなか面白かった。

 その他は作品ごとで微妙。「イヴのいないアダム」は素晴らしいと思ったのだが、というかこのベスターは、どうも分かりにくいというより、作者が飽きてバッサリ省略しちゃいました的な作品が多い気がする。
 もうちょい詳しく、じっくり書いてくれれば名作が多い気がするのに。「昔を今になすよしもがな」なんて、終わりの唐突っぷりにビックリしてしまった。
 
 そんなベスターがじっくり書いた中篇が「地獄は永遠に」。調子に乗った馬鹿達が地獄を堪能する話。リアル神曲。
 リアルだから、もうえぐいえぐい。その分、迫力と力が伝わってきて、地獄の青白い業火に触れるような気がする。これは凄かった。うん、やればできるじゃん、と思った。なんで筆量ケチるかなぁ。

 
 面白い短編集だったけど、たぶんベスターは長い方が力を十二分に発揮できる人だと思うので、ぜひ次は長編を読んでみたいですね。でも、不思議な味のある人でした。

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