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読書とギターとブログと |2011年12月
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読書

たんぽぽのお酒 (ベスト版文学のおくりもの)たんぽぽのお酒 (ベスト版文学のおくりもの)
(1997/08/01)
レイ ブラッドベリ

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一年の最後を締めくくる本を何にしようか考えてたんだけど、やはり大好きなブラッドベリの名作で。

ブラッドベリの代表作の一つである本作は、一夏の少年の物語。大きな物語があるのではなく、小さな物語が連作短編のように語られます。
それは少年たちのちょっとしたいたずらの物語や、大人の恋の物語であったりするのだけど、少年の目線で語られるそれぞれの物語には、生命力が満ち溢れていて、夏を全力で享受する少年の姿が目に浮かぶのです。
昔は僕にも、僕達にもこんな純粋なときがあったはずなのに。

少年にとって夏の象徴はたんぽぽのお酒。おじいちゃんの作るたんぽぽのお酒は冬の間、失った夏の成分を思い出すのに使うのです。
たんぽぽのお酒 たんぽぽのお酒 たんぽぽのお酒

後ろ向きという人もいるかもしれません。全体的にノスタルジーに包まれたこの作品は、懐古的で、時代から置き去りにされているようにも思います。
でも、それが良い。琥珀に閉じ込められた虫のように、永遠の夏を、僕達はページを開くことで味わうのです。疲れた日々の中で、一瞬の緑の風を味わうのです。
長い冬を、たんぽぽのお酒を飲みながら過ごす一家。僕達にとってのたんぽぽのお酒はまさに本書であり、この本を時々味わうことで、明日を頑張ることができるのです。

疲れたときに、何かを失いそうになった時に、読んで欲しい一冊。


さて、そんなわけで今年の更新はこれが最後です。
GF公式ツイッターにかまけたり(最新の読書録はそちらで)、仕事がたてこんだりで、12月はあまり更新できなかったのが残念ですが、今年も本を愛する日々を送れた一年でした。
まだまだ細々と続けていく予定でございますので、来年度もぜひ本ブログをご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

ちなみに来年度の更新は2日以降となるよていです。

それでは、一年間ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
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読書

こなもん屋馬子こなもん屋馬子
(2011/10/20)
田中 啓文

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落語シリーズで有名な田中さんの新刊。

大阪のどこかに現れる不思議なこなもん屋。その時により作る料理はお好み焼き、うどん、たこ焼き・・・と変わっていくが、「おばはん」が作るそのシンプルかつ美味な料理でお客の抱える悩みを解いて行く。

こてこての関西弁に、しょうもないギャグのオンパレードに人を選ぶかもしれないが、関西人にとっては、そうそうこれぞ大阪!と膝を叩きたくなる。どこがというのではなく、空気が大阪なのだ。それもミナミのほう。

出てくるこなもんも、細かい描写によってとても美味しそうであり、とくにうどんはダシの描き方がすばらしかった。
ただ、残念なのはたぶんネタ切れなのか最後は料理がなにやらピザとか肉まんとか変な方向にいったことである。まあこなもんやけどさ!

読書

都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)
(2011/12/20)
チャイナ・ミエヴィル

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これはねえ、凄い本ですよ。
なんというか今年で言うならば「ねじまき少女」に比肩するくらいに凄いSFですよ。

海外の賞を総なめにしたこの本だけど、舞台は欧州の架空の都市。
その年は「ベジェル」と「ウル・コーマ」という二つの都市がほぼ同じ位置で入り組んだ形になっている。
主人公の警部補は「ベジェル」で起きた殺人事件を追ううちに、幻の第三の国の話を聞きつけるが・・・

全部で500ページくらいある分厚い小説なんだけど、正直、最初100ページくらいはよく分からんかった。
というのも、翻訳小説特有の、背景説明や不十分な描写など(これらはまあ作者にもよるが)や独特の造語の多用でいまいち作品の世界を掴めずにいたのだが、なんとなく雰囲気と登場人物が把握できるようになって、また物語が動き出すにつれてがぜん面白くなっていき、もう少し、もう少し、と思いながら一気に読み切ってしまった。

主人公は殺人事件を解決するために、隣国の刑事と協力して謎を解いていくが、この二人の距離が徐々に縮まっていく様子は刑事ものの王道としてエンタメとして読める。
また、重なった2国間を管理する奇妙な組織「ブリーチ」や、都市伝説の第三の都市「オルツニー」の存在などは、文章から不気味さや得体の知れなさが伝わってきて、まるでホラーのように冷やりとする。
あまり書くといけないが、ラストのシーンでは、涙がこぼれそうになる。

つまり一級品の読み物なのであるのですよ!
最初はつらい。正直、心が折れそうになる。何度も本を閉じたくなる。だが、我慢してほしい。
あれっ、これもしかして面白いんじゃね?とふと思う時が来る。そうしたらしめたものだ。
その時を信じてぜひ、読んでほしい一冊。

読書

赤塚不二夫のことを書いたのだ!! (文春文庫)赤塚不二夫のことを書いたのだ!! (文春文庫)
(2007/05)
武居 俊樹

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これ面白いよー
春にやってた映画の原作本で、赤塚不二夫を35年間担当し続けた編集者が書く赤塚不二夫の話。
とても暖かい赤塚さんの人柄だけではなく、絶頂期の引き抜き合戦など、同じ業界人として唸らされる秘話が満載。

ちとアレなのは、作者が赤塚さんべったりで割と手塚治虫批判のところがあったのが手塚ファンとしては気になったがそれはさておき、とても優れたエンタメノンフィクションでした。

読書

リリエンタールの末裔 (ハヤカワ文庫JA)リリエンタールの末裔 (ハヤカワ文庫JA)
(2011/12/08)
上田 早夕里

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日本SF大賞を受賞された上田さんの最新短編集。受賞記念で書いてみる。

まず表紙が美しいね。色といいデザインといい、そのまま画になりそうな作品。
表題作は背中に鉤爪を持った異端の民の物語。
彼らは小さい頃、鉤爪に翼を付けて空を飛ぶが、成長と共に飛べなくなってしまう。だが、空の心地よさを忘れられない少年は、もう一度舞い上がる為に街に向かった・・・

前より増して巧者という印象が強くなった一冊。はでなものはないが、それぞれが手堅く、パズルのように美しくピースがかっちりはまっている。
こういう安定した作品を書ける人を本当に僕は尊敬します。

読書

あなたのための物語 (ハヤカワ文庫JA)あなたのための物語 (ハヤカワ文庫JA)
(2011/06/10)
長谷 敏司

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女性の研究者が、仮想人格に小説を執筆させる。小説を書かせることで創造性を作り上げようというのだ。仮想人格は徐々に研究者のための物語を書くようになるが・・・

やっぱ上手いなあ、と素直に思う。
読んでから時間が空いたのであまり熱を持ってコメントが出来ないのだけど、とても良い小説だった。

この本と同時に神林長平の「言壺」が発売になったのは意図的なのだろうか。

読書

絶対製造工場 (平凡社ライブラリー)絶対製造工場 (平凡社ライブラリー)
(2010/08/11)
カレル・チャペック

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「ロボット」で有名なチャペックの本。中の挿絵は兄のヨゼフさんらしい。

ある博士がわずかな燃料で膨大なエネルギーを生み出す「カルブラートル」を発明した。しかし、その機械はエネルギーとともに物質の中に含まれている「絶対=神」をも解放してしまうのだった。
世に溢れる「絶対」。それは人々を満ち足りた気分にさせるのだが、同時に恐ろしい混乱を巻き起こす・・・

発行当時から考えたら違うのだろうけど、僕が読んでまず受けた印象は福島の原発事故だった。膨大なエネルギーと引き換えに起きる代償は神の御業で人の手に扱えるものではない。現在の状況を踏まえてとても寓話的な小説だったといえよう。
「絶対」が溢れて宗教家が増えたり、それぞれのカルブラートルこそがそれぞれの神だと信じて発生する戦争には、宗教の孕む矛盾を感じさせられる。

様々な面で現代社会をとても鋭く風刺した小説なのである。

余談だが、こういう機械と人間の関係といえば、ヴォネガットの「プレイヤー・ピアノ」を思い出す。安直な結論だけれども、より早く、より多く、をあまりに追求しすぎるのも考え物なのかもしれない。

読書

漫才 (新潮文庫)漫才 (新潮文庫)
(2011/10/28)
ビートたけし

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たけし・清の漫才台本を一部ネタを差し替えた本
たけしさんは大好きなんだけど、これはうーん。
なんというか、きよしのツッコミがたけしのボケを繰り返すだけで、コンビである理由があまり感じられなかった。
うーん

読書

笑壺-SFバカ本ナンセンス集笑壺-SFバカ本ナンセンス集
(2006/06/06)
岡本 賢一、岬 兄悟 他

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おなじみバカ本アンソロジー
今回は梶尾真治の「怒りの搾麺」があまりにもオバカすぎるw

読書

超老伝―カポエラをする人超老伝―カポエラをする人
(1990/09)
中島 らも

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これは再読。やっぱりらもさんは面白いのである。おむつおむつ

読書

銀河不動産の超越 Transcendence of Ginga Estate Agency (講談社文庫)銀河不動産の超越 Transcendence of Ginga Estate Agency (講談社文庫)
(2011/11/15)
森 博嗣

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森博嗣ってめったに読まないんだけど、なんか僕好みのタイトルしてたので購入。
だが、まあわかってはいたけど、僕の期待していたようなバカっぽいSFではないのである。

銀河不動産というボロい不動産屋に入社した新入社員が主人公。
今風のやる気に欠けた草食青年だが、お店に現れる様々なお客を通じて、彼の人生に変化が現れる・・・

なんというかね、悪いとは言わんが、あまりにも「出来すぎ」な話で少しイラっとする。
この主人公のように人生進めば何も苦労せんわい

読書

ルージュ・ノワール 赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝 (徳間文庫)ルージュ・ノワール 赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝 (徳間文庫)
(2004/02/05)
石田 衣良

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池袋WGPの外伝。マコトの友人のヤクザ屋さんである、サルの話。
ギャンブルがメインの話で、ラストは分かっていても心熱くなる。

読書

去年はいい年になるだろう去年はいい年になるだろう
(2010/04/02)
山本 弘

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山本弘の今年の星雲賞作。

9・11テロが発生し、アメリカのビルが崩れた後、テレビに映像が流れた。
テレビに現れた者たちは「今の出来事はおきませんでした。我々は歴史を改変しました」と告げた。
現れた者は「未来から来たロボット」だと名乗り、その後様々な出来事が改変されていくのだが・・・

山本弘得意の「大きな」物語。未来からやってきたものが現在に介入する、という設定はSFにおいて特に目新しいものではない。
ただ、山本弘流の膨大なウンチクによって、作品に非常にリアリティが増しており、また我々読者がちょうど実際に体験してきた出来事(テロや大地震など)が書かれることで、僕たちもifの世界を否応なしに考えさせられる。

と言う風に、最初の出だしはとても良いのだが、その後の展開もいつもの山本弘らしく、
まずウンチクの山がだんだんとイラッとし始め、大きな風呂敷を広げた割に、着地点がなんかう~ん。というタイプの小説に仕上がってしまっているので、良くも悪くも山本弘作品。特に「神は沈黙せず」などにかなり近い作品だったと言える。

個人的には星雲賞は上田早夕里「華龍の宮」かなーと今でも思うが、まあそれは余談である。

読書

玩具修理者 (角川ホラー文庫)玩具修理者 (角川ホラー文庫)
(1999/04)
小林 泰三

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小林さんって、個人的にはSFの方がなじみ深いんだけど、ホラーの名手なんだよね。
その小林さんのデビュー作にて日本ホラー短編賞作

玩具修理者はなんでも直してくれる。おもちゃでも死んだ猫でも。なんでも直してくれる。
その玩具修理者のところに、私は過って死なせてしまった弟を持っていく。
だが、直してもらった弟には徐々に異変が現れ・・・

そこまで衝撃的!みたいなタイプではないが、オーソドックスなホラーの形を見事に書かれた、という感じかな。
得体の知れない玩具修理者も異形の者として、不気味さが文字から伝わってくる。

というか異形の者や、非現実を描くというところでホラーとSFは相性が良いんだろうなあ。

読書

文学部唯野教授の女性問答 (中公文庫)文学部唯野教授の女性問答 (中公文庫)
(1997/07)
筒井 康隆

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文学部唯野教授がいろんなお悩み相談してくれる本

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