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読書とギターとブログと |2009年12月
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読書

サンドキングズ (ハヤカワ文庫SF)サンドキングズ (ハヤカワ文庫SF)
(2005/10)
ジョージ・R.R. マーティン

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 奇妙な店から買ったサンドキングズという生き物は、群れを作り時には別の群れと戦争する。彼らは飼育ケースの大きさに合わせて育ち、彼らが築く城には飼い主の顔の肖像画が彫られる。

 そんなサンドキングズの魅力に取り付かれた主人公は、わざと戦争を起こすためにエサの量を減らしたり、群れのバランスを崩したりして悪意に満ちた飼い方をしていく。
 人が変わってきた主人公はやがて人を殺してしまい、その表紙にサンドキングズのケージを壊してしまう。ケージという枷がなくなったサンドキングズは巨大化し、繁殖し始め・・・


 確かにSFではあるのだが、その構成と語り口はホラーに他ならない。むしろこんな話聞いたことあるぞ。
 マーティンの本書には、こうしたSFとホラーがミックスされたような作品が多く収録されており、その中でも最高の作品が表題作「サンドキングズ」だろう。
 ヒューゴー・ネビュラ賞を受賞しているこの作品は、背筋が凍る恐怖を僕達にプレゼントしてくれる。正統派のホラーの構成を持ちながら、まるでラヴクラフトのような不気味さをも保っているのだから、怖い怖い。やはり「化け物」のもつ生理的恐怖というものは、どうあがいても逃れられぬものがある。

 そしてラストは見事な伏線にやられてしまった。W受賞にふさわしい傑作。


 なお、明日から帰省しますので、次回更新は1月4日以降となります。
 一年間ありがとうございました。
 よいお年を。
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読書

ゼブラーマンゼブラーマン
(2004/02)
宮藤 官九郎

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実はクドカン作品のなかではあまり好きではないのです。

 シナリオを読んでみても、やっぱり中途半端感は否めない。セリフ回しはバツグンなんだけども

読書

二度生きたランベルト二度生きたランベルト
(2001/05)
ジャンニ ロダーリ

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 ロダーリの本は以前にも読んだことがあるはずなんだけど、題名を思い出せないなー。確かノアの箱舟をモチーフにした寓話だったと思うんだけど。

 ランベルト男爵は金満家の年寄りで、24の銀行を所有している。彼は湖の真ん中の小島に執事と共に住んでいる。
 彼が人から聞いた秘術(ずっと誰かに自分の名前を呼び続けてもらうこと)を始めだすと、みるみる若くなり・・・
 そしてそこに盗賊が押し入ったから、さあ大変、という話。

 全体的に優しい言葉で書かれており、内容も大人が読んでも子どもが読んでも楽しめるものとなっている。24という数字の無意味さや、強盗の無計画さなど突っ込めるところもあるが、逆に言うと、数字の共通性や「名前」の魔力など、深く読みこめる部分もある。
 
 つまり最終的に終わり良ければすべてよしという感じがして、まぁ面白かったしなんでもいいか、と思って背表紙を閉じるのである。

読書

1週間でマスター 長編小説のかたち―小説のメソッド〈3〉未来への熱と力 (1週間でマスター―小説のメソッド)1週間でマスター 長編小説のかたち―小説のメソッド〈3〉未来への熱と力 (1週間でマスター―小説のメソッド)
(2006/09)
奈良 裕明編集の学校

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小津さんの「東京物語」の引用とかいっぱいあるけど、つまりシナリオ作法を勉強しろということか

読書

さよならダイノサウルス (ハヤカワ文庫SF)さよならダイノサウルス (ハヤカワ文庫SF)
(1996/10)
ロバート・J. ソウヤー

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眠って食べて、読書して寝る。そんな一日は怠惰でも孤独でもなく、格別の幸福にほかならない。休日は一人に限る。

 
 ソウヤーといえば、「ターミナル・エクスペリメント」(部屋の隅で積ん読状態)などで有名なSF作家。古生物に詳しいソウヤーが書いた今作は、恐竜時代にタイムスリップする話である。
 
 それだけ聞くと、凡百のSF小説にありがちな話であるが、これはそんなに陳腐な作品ではない。タイムスリップといった軸を中心に、パラレルワールドに絡む恋愛・恐竜の体躯や絶滅に関する独自の設定と解釈・異星人など、盛りだくさんの要素が詰め込まれて複雑に組み合い、最終的に太い糸が織られている。
 そして独自解釈は膨大な知識と研究に基づいており、読んでいて不具合は感じない。そう、見事なハードSFでもあるのだ。
 
 話の要約だけ聞くと、凡庸に聞こえるかもしれない。だが、この本には読んでみて分かる感動がある。巧みさがある。
 これぞSF! という作品であり、これぞストーリー! という作品でもある。さすがはソウヤーといわせる一品。
 

読書

知れば知るほどあぶない世界史―秘密結社からミステリー・ゾーンまで (祥伝社黄金文庫)知れば知るほどあぶない世界史―秘密結社からミステリー・ゾーンまで (祥伝社黄金文庫)
(2006/02)
桐生 操

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 こういう一文の得にもならないトリビア本って読んでて楽しいんですよねー

 トリビア世界史の中でも、ミステリーやオカルト的な史実を中心に色々と書いてあり、「ムー」の愛読者である僕は歓喜なのです。
 
 オカルトの中でも秘密結社などについてページを割いており、特にフリーメーソンについてかなりしっかりした記述があってなかなか面白かった。
 けっこうフリーメーソンについては「さわり」しか書かない本が多いので、歴代の構成員や入団儀式などまで知れて勉強になった。
 団員に関しては、おまえもか!という人物までメーソン員で驚き。マッカーサーもそうとは知らなかった。世界を動かしているという噂はあながつバカにはならない。

 余談だけど、メーソンのテーマは「友愛」らしいけれども。・・・まさかね。

読書

革命のふたつの夜 (角川文庫 緑 305-7)革命のふたつの夜 (角川文庫 緑 305-7)
(1974/03)
筒井 康隆

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わりとホラー色の強い筒井短編集。
初期の作品かな

読書

ソロウクレレのしらべ スタジオジブリ作品集 CD付 著者・演奏 大橋英比個 名シーンを彩る美しきメロディソロウクレレのしらべ スタジオジブリ作品集 CD付 著者・演奏 大橋英比個 名シーンを彩る美しきメロディ
(2005/05/23)
大橋 英比個

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火星人の方法 (ハヤカワ文庫 SF 492)火星人の方法 (ハヤカワ文庫 SF 492)
(1982/10)
アイザック・アシモフ

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 ウクレレを買いました。正直、考えていたより飛んだんですが、世間はクリスマスらしいから良いよね! と自分に言い聞かせてみる。
 触ってみて驚くのがその小ささ。持ちにくいこと!
 楽譜の運指自体に難易度はないのだが、安定感の悪いウクレレを抱えつつ、すばやくスライドしたり正確にフレットを押すことがここまで難しいとは思っていなかった。うーむ、舐めてたなぁ。
 まぁなかなかギターとは違う良い音するので、ぼちぼちやろうかと。


 アシモフの作品集。
 アシモフが大家たりえる理由は、読んでみればよくわかる。ずばぬけた知識量とそのロマンの広がりは他の作家を圧倒し、時代をまったく感じさせない。

 この本の中でのイチオシは表題作の「火星人の方法」だろう。水の供給を止められそうになった火星人が、水を求めて土星に氷を取りに行く話し。
 悪役の地球人に対抗する為に、武器としての氷を取りに行って危機を乗り越えて火星を救う、というストーリーはまさにRPGの基本形であるし、火星版アルマゲドンだとも言える。
 普遍の構造を抑えているから、長編でなくともどきどきするし、ラストでは溜飲が下がる。
 更にアシモフが見事なのは、そうしたベースに加えてSF独自の解釈や設定というものを見事に組み込んでいるところだろう。この作品であれば蒸気で進むロケットであったり、土星の氷塊や、水の少ない火星が地球から水を輸入している、などの設定だ。
 それらが本当かどうかはしらないウンチクと共に語られるからリアリティが増すし、スパイスとなって作品に厚みを与えている。
 とてもよく練られた良策。
 
 惜しむらくは、もっとキャラクターの書き分けをしても良いと思ったが、まぁ時代かな。

 アシモフとかクラークとかって大御所過ぎてなんかいまさら読むのをためらう時があるんだけど、結局やっぱすごいのよねーという結論に至って本を閉じたのであった。

読書

求愛瞳孔反射 (河出文庫)求愛瞳孔反射 (河出文庫)
(2007/04)
穂村 弘

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 ここ数日の喧騒が落ち着いたので久しぶりに古書店に行く。すると特価本コーナーにマーティンの「サンドキングズ」を見つける。が、僕の知っているカバーと違う。「サンドキングズ」が再販されてるのは知っていたので、どうも初版のほうらしいと推測。再販バージョンしか見たことがなかったので、むしろ嬉しい。しかも安いし。
 あとは「月は無慈悲な~」もキレイな状態で見つけたけど、高かったのでまた次回。お年玉が入ったら買いに行こう。それにしても最近のハヤカワSFってなんで若干高さが長くなったんだろうか。本棚で背表紙の高さが揃わないとなんだかすっきりしないのだ。
 そんな感じで収穫品
 ジョージ・R・R・マーティン「サンドキングズ」 筒井康隆「革命のふたつの夜」 椎名誠「新橋烏森口青春篇」


 穂村さんが「シンジケート」で僕に与えた衝撃は「サラダ記念日」なんかよりよっぽど革命的で、短歌にかぶれてみたりしたこともあった。
 そんな穂村さんの詩集。

 短歌にしても、詩にしても、穂村さんは言葉を宝石のように丁寧に選ぶ。詩の内容も決してとっつきにくくはない。日常の延長をやれやれ、という感じで書いている。そうした身近さが穂村さんが現代を代表する歌人と言われる所以だろう。
 そしてスゴイのはわかるんだけども、どうしても好きになれないのだ。

 詩にしても、短歌にしても、恋愛だとかもろもろ、なんか明るくてモダーンな感じが穂村さんには漂う。そんな健康さが僕には遠く、体が受け付けようとしない。
 やはり僕の好む歌人というのは、石川啄木とか中原中也なんであって、血を吐きながら死にたい死にたいというくらい病的で反社会的でダメ人間であって欲しいのだ。
 結論を述べると、穂村さんが爽やかでイケメンだからなんかズルイなぁ、という話。

読書

1980アイコ十六歳 (河出文庫)1980アイコ十六歳 (河出文庫)
(2006/01/06)
堀田 あけみ

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 新しそうな河出文庫で、文藝賞受賞作と書いてある。これだけで僕の脳はつい最近(ここ数年内)の小説だと思ってしまう。偏見と早計が産む誤認。
 だから最後にあとがきを読んで、これが81年の作品だと知って衝撃を受けてしまった。そのくらい古さを感じさせない作品だったのだ。

 アイコという高校生が主人公。彼女の少女の日常を描いた作品。作者が当時16歳で書いたということもあり、その内容はとてもみずみずしく、また青い。

 僕が読んで恥ずかしくなるくらいに真っ直ぐだし、稚拙なところもある。けれども息遣いすら感じる文体はテンポ良く、口語体を突き詰めたような形で、今のライトノベルを感じさせるように軽やかに駆け抜ける。
 高校生の日常を描いただけで評価はできないのだが、作中に取り入れた名古屋弁など、所々に小憎い技が光る。そうした形で見せる少女の日常は、驚くほど今の女の子と変わらない。

 よく考えれば携帯電話が見当たらないとかパソコンがないとか、年代が大きく違うところはあるのだが、時代を感じさせない若さ。それは時を越えて普遍で共通で尊いものなのだと思った。

 僕にもこんな時代があったのだ。青く、愚かで、美しかった時代が。

読書

やさい町どんどん (福音館創作童話シリーズ)やさい町どんどん (福音館創作童話シリーズ)
(1994/09)
神沢 利子

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 いわゆる擬人化もの。児童書のパターンの一つですね。野菜の擬人化モノって結構ありそうな気がするんだけども、トマトマンしか思い出せないのは僕の知識不足からなのか。

 野菜さんの日常が、短編集のように綴られる。

 失礼なことを言うと、若干読みにくく、かつそこまで面白くない、というのが本音だった。なぜ面白くないのかは良く分からない。趣向の問題かもしれない。
 けれどもクセのある文体が頭にこびりついて、なんとか読もうと頑張ってしまうのだ。

 どっかで見た文体なんだけどなー、と思っていたら「くまの子ウーフ」の人でした。なるほど。

今日だけは全人類からバクテリアまで愛せる気がする。

 感謝

読書

物語消滅論―キャラクター化する「私」、イデオロギー化する「物語」 (角川oneテーマ21)物語消滅論―キャラクター化する「私」、イデオロギー化する「物語」 (角川oneテーマ21)
(2004/10)
大塚 英志

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オタク論御用達の大塚英志の本。

 物語の構造は突き詰めれば単純化し、パターン化するといった話を中心に書かれている。
 サブカル的な本の構造の共通性、はてまて神話構造との連続性などについても書かれており、あらためてプロットの重要性を再認識させられた。そしてハリウッド映画などのシナリオにも言えることのだけど、ある程度大衆に向けた作品であるならば、最低限の構造のパターンは抑えておかなければならないし、どれだけ俗っぽくともそれはある種、創作者として最低限のマナーだともいえるのだろう。
 まぁつまり、聖書とドラクエ5とグレンラガンと「天の光は全て星」の構造は全部一緒だということ。
 
 なんか下手なハウツー本を読むよりはよっぽど勉強になった。

 次回更新はたぶん来週の月曜です。

読書

真理先生 (新潮文庫)真理先生 (新潮文庫)
(1952/06)
武者小路 実篤

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ウイスキーとおでんの合わないこと!


 揺るがない真理があれば、もう少し安らかに生きれるのだと思う。けれどそんな絶対的な真理などないから僕達は迷うし、時々宗教に救いを求めたりする。

 この作品に出てくる真理先生は良く分からない人だ。始終真理を説いており、そのお弟子さんに支えられて暮らしている。
 主人公も何をしている人なのか、どういう人なのかも良く分からないし、他の人もぱっとしない。全体的になんだかうさんくさい。

 なぜ僕がそう感じたのかというと、この作品に出てくる人間が全て善意に溢れており、策謀や嫉妬などいっさい無いせいでなんとも人間味が皆無だからだ。好きな人を寝取られた青年も、その女性の幸せを喜び、情熱を昇華させる。そんなばかな!

 良い人ばかりの本は確かに心温まるが、僕はどうしてもそこに疑いの眼差しを向けてしまう。その笑顔や態度には別の目的があるのではないだろうか、怒りや憎しみの裏返しではないだろうか、そう思ってしまう。
 そんなひねくれた僕には、この本は眩しすぎた。
 けれども僕は人の悪口を言わない人間は基本的に信用しないタチだし、人を成長させるのは優しさではなく怒りだと思っている。すくなくとも、それが僕にとっての真理。

読書

イン・ザ・プール (文春文庫)イン・ザ・プール (文春文庫)
(2006/03/10)
奥田 英朗

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奥田 英朗の「空中ブランコ」シリーズの二冊目。

 ま、普通に面白いよねー

読書

フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫JA)フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫JA)
(2008/07)
小川 一水

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 「老ヴォールの惑星」で名を上げた小川一水の作品集。

 エイリアンによって食事などの必要がなくなった人間や、不老不死の時代が訪れた地球などの話が並ぶ。

 まず全体的に話の設定や着眼点に既視感を感じてしまう。ありがち、とまでは言わないがSF好きの人間からすると不老不死やサイボーグの論などにはどうしても新しさを感じることが出来ない。
 また、その設定を生かして叙情的に膨らませるとか筆力で逃げることをせずに、その設定を語るに終始してしまっているため、なんだかなぁと思ってしまった。そういう風にもっていくなら、もっと斬新な着眼点をぶつけなければならない。
 「老ヴォールの惑星」が名作だっただけに、残念に感じてしまった。

読書

地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)
(1977/01)
ブライアン W.オールディス

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 新人賞などの選考のポイントの一つに、スケールの広さがあるとよく言われる。絵と同じように、大きく作品を造ることは簡単に見えてとても難しい。

 オールディスのこの名作を読み始めてすぐに、誰もがその圧倒的なスケールに呑み込まれるだろう。文字は植物になり、ページは海と大地になる。濃密な草木の香りと、得体の知れぬ巨大な化け物達のざわめき。身震いする。毛が逆立つ。緊迫感と期待をもってページをすごい勢いで繰っていかなければならない。

 ずっと未来の地球。地球は自転を止めて、一方を太陽に向けている。植物は生い茂り、ほとんどの動物は息絶えた。植物は少しでも繁栄しようと巨大化し、凶暴化した。
 生き残っていた人類は退化して思考能力が減少し、体も小さくなっている。
 そんな世界で生まれたグレンという少年。そのやんちゃなグレンが主人公となって話が進む。

 リアルな描写と淡々とした文体で紡がれる話は、バロウズの冒険小説のようで、イーガンのように哲学的でもある。
 とにかく全てが桁違い。
 逆立ちしてルンバを踊っても届きそうにない大作に、僕達は嘆息しつつ魅了されるしかないのだ。
 名作の誉れに相応しい名作だった。死ぬ前にもう一度読んでみたい本かもしれない。

読書

反対進化 (創元SF文庫)反対進化 (創元SF文庫)
(2005/03/24)
エドモンド・ハミルトン

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 誰がなんと言おうとも、僕が一番好きな海外SF作家は、アシモフでもクラークでもハインラインでもブラッドベリでもティプトリーでもウィリスでもアダムスでもヴォネガッドでもギブスンでもスタージョンでもなく、ハミルトンなのだ。

 キャプテン・フューチャーのようなスペースオペラだけでなく、ハミルトンは短編の名手として名高い。それらは、時に叙情的で、時に斬新で、あらゆる角度から僕達を楽しませてくれる。
 そんなハミルトンの技巧の詰まった短編集。一度は読んでおこう。

http://www.cinra.net/news/2009/12/07/152049.php

 日本SF大賞は伊藤ケイカク。特別賞は栗本薫。切ないなぁ。
 それにしても、故人が受賞する場合って、賞金はどうなるのだろうか。


 今頃になって先月分の新聞集金が来て困る。お金がないお金がない。

 今日の読書更新はありません。というか、さいきん本が読みたくない病(年に1・2回かかる)にかかってしまっているようです。


 

読書

新人賞を狙える小説プロット実戦講座―作家デビューしたい!新人賞を狙える小説プロット実戦講座―作家デビューしたい!
(2007/04)
若桜木 虔

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小説のハウツー本ほどうさんくさくて使えない本は無いのだけども、これは意外にも割と使える本だった。

 作者と、その指導を受けている生徒さんの対談という形で話が進み、生徒のプロットなども載っている為、とてもリアル。
 どうでもいいけど、素人の人って、あらすじの説明文の日本語がおかしいことが多くて、なんかああ、と思ってしまった。

読書

犯罪王カームジン    あるいは世界一の大ぼら吹き犯罪王カームジン あるいは世界一の大ぼら吹き
(2008/09/26)
ジェラルド・カーシュ

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嘘か真か。カージムンは見事なヒゲを蓄えた老紳士。彼の話はいつも信じられないようなスケールの話ばかりだ。イギリス王室の王冠を盗んだ話や、電気メーターを上手く誤魔化した話など、胸のすくような話をカージムンはしてくれる。
 話をまともにとらえれば、彼は稀代の大泥棒なのだが、彼が話の時折見せるみみっちい姿や、なんともケチな部分を見ているとどうにも疑いは捨てきれない。
 
 こういう不思議なうさんくさい人の小説といえば、ダールの「オズワルド叔父さん」や「ほら男爵の冒険」などが簡単に思いつくだろうけれど、それらの名作に負けず劣らすの名作がこの「犯罪王カージムン」なのだ。

 カージムンがはたして世紀の大泥棒なのか、途方もないほら吹きなのかは分からない。けれども、分からないから面白い。尊敬とうさんくささの眼差しで暖かく読める本。それがこの本なのだ。

読書

舞妓Haaaan!!!舞妓Haaaan!!!
(2007/06)
宮藤 官九郎

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http://www.poplarbeech.com/sp_pickup/zukkoke_age44/index.html
 ポプラ社とコンビニのポプラが組んで、いまさらズッコケフェア。
 近くにポプラがあるので覗いてきたけれども、ズッコケサンドイッチとか、ズッコケチップスとかはもはや関連性のかけらも見当たらなくて苦しい。でもチップスくらい買おうかなと思ってしまうファン根性。どれだけアコギな商売をされても、今も昔もズッコケとゾロリとルドルフは僕のバイブルなのだ。


 先日ロードショーでやっていた舞妓Haaanのシナリオ本。

 ちゃんと読めば読むほどいちいち上手いなあと思う。小道具の使い方と緩急の付け方がずばぬけてるよねー。
 たとえ知識がいくらあっても、それを使いこなせなければ意味がない。情けないなぁ。

読書

キッズ アー オールライト (河出文庫)キッズ アー オールライト (河出文庫)
(2006/03/04)
岡田 智彦

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 まずこの装丁のセンスがずばぬけて素晴らしい。だれだこのオッサン。

 岡田智彦の文藝賞受賞作。
 不良のオレはヤクザの息子である。留年している佐久間クンなどと共にすごす日常と、巻き起こる非日常。理由なき暴力的衝動や感情を置き忘れたような主人公の設定は、まさに文藝賞っぽいと言ってしまえばそれまでなのだが、それだけでは終わらぬ力を持っている。

 高校同士の対立など岸和田少年愚連隊な世界なのかと思いきや、ヤクザから拳銃を盗んでヤクザを撃ち殺したりと、今度は男樹かと思っていたら、殺したヤクザが獣のように変貌した姿で現れたり、右手がカニのビリイの存在など安部公房じみてきたりする。
 なんだかよくわからないけれども、静かに狂っているこの小説は、静かに狂っている地方の町の姿を見事に映し出している。
 最後のあたりは、もう何が面白いのかよくわからないけれど、とても面白かった。そんな小説

読書

オーケンのめくるめく脱力旅の世界 (新潮文庫)オーケンのめくるめく脱力旅の世界 (新潮文庫)
(2004/03)
大槻 ケンヂ

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 以前、大槻ケンジと五木寛之を間違えていたときがありました。ひらがなだったたら、「おおつき」と「いつき」でまぁ間違えないと言い切れないこともない・・・のだけれども、漢字で見るからにまったく違うわけで、しかも片方はカタカナ混じりなわけで、いまだに何をどう間違えていたのか謎なのです。

 そんな大槻さんのエッセイは、ちょっぴり笑えて、ちょっぴりホロリとさせられた。

読書

蹴りたい田中 (ハヤカワ文庫 JA)蹴りたい田中 (ハヤカワ文庫 JA)
(2004/06/10)
田中 啓文

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 文学界新人賞は普通の女性でしたが、特別賞は17歳の高校生だそうです。ふーん。


 それにしても、これ、くっだらない本だなぁ(褒め言葉として)
 タイトルから分かるように駄洒落のオンパレード。パロディやオマージュが混在し、その作品群すべてにくだらない駄洒落がわんさか入っているわけで、ここまで詰め込むとその発想に舌を巻くしかないくらいに押し込まれているわけで。
 
 そんなパロディばっかの作品だがそれで終わらず、その全てをメタ的に一つの長編として仕上げているところがニクイ。
 かなり抽象的なことばかり書いている自覚はあるんだけど、なんとも説明が難しい本なので、何が言いたいかというとつまり、ぜひ読んで見てくださいということなのであります。

読書

子どもの隣り (角川文庫)子どもの隣り (角川文庫)
(1998/04)
灰谷 健次郎

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 バレエ(白鳥の湖)を見てきました
 ラストのメインテーマが一段高いキーになるところは流石に興奮しましたが、まぁ基本的に眠かったです。やっぱりああいうのはやってる人か知識のある人でないと分からないですね。


 灰谷さんの短編集。
 いつもながら子どもの繊細な心を鮮やかに映し出している。いつも通りのはずなのに、なんとなくいつもの灰谷さんらしくない文体の気がしてしまうのはなぜだろう。気のせいだろうか。
 
 それにしても灰谷さんは、乱暴だけど一本気の少年とおどおどした真面目君を描かせたら天下一品だよなぁ。

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