サイトマップ
読書とギターとブログと |2009年11月
FC2ブログ

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

読書

マジック・キングダムで落ちぶれて (ハヤカワ文庫SF)マジック・キングダムで落ちぶれて (ハヤカワ文庫SF)
(2005/08/09)
コリィ・ドクトロウ

商品詳細を見る


未来の世界を想像した小説の中には、どうしても肉体が代替可能になったバーチャルな世界になってしまうものが多い。
 この本もご他聞に漏れず、そうした未来の世界が描かれている。

 記憶はバックアップがとられ、それに基づいて肉体が新調される。生きるのに疲れた人はデッドストックし、貨幣の代わりに共通の価値として、ウッフィーという尊敬の値が存在する。

 尊敬されたもの勝ち。好かれた者勝ちといった世界においては、いかに当たり障り無く生きるか。つまりいかに空気を読めるか、ということが重要になってくる。05年発行の本書はなかなかタイムリーな話題をついていると言えよう。
 
 幻想の理想郷であるこんな未来世界を描くのに、その中に入れ子式にテーマパークをもってきた構造はとても面白い。その不完全さが浮き彫りになっていて見事だと思った。

 他にもいろいろ書けるし書こうと思ったけど、なんかめんどくさくなったので以上。良い本でした。
スポンサーサイト

読書

古本市に行く
先日、300円で高いと見送ったオールディスの「地球の長い午後」を100円で見つけて勝った!と思う。
つまり古本における駆け引きというものは、株みたいなもんなのだ。


今日の本のレビューはありません

読書

うそつき大ちゃん (ポプラの森)うそつき大ちゃん (ポプラの森)
(2005/07)
阿部 夏丸

商品詳細を見る


 大ちゃんは町の汚れた川に魚や大きなネズミがいるといってうそつきと呼ばれる。そんな大ちゃんと主人公の話。
 主人公が大ちゃんの行動を理解し、自らを改善させ、周りに影響を及ぼす、という風に最低限のドラマのポイントをおさえているため、それなりに読める本だった。色眼鏡で見るつもりはないけれど、ポプラ社の児童書はエンタメ色が強い所から入ったせいか、そんなに外したものは少ない気がする。
 この本もそこそこ読めるのだが、この本が残念だったのは、ちょっとキャラクターが記号的すぎたかな、という感じ。台詞回しもストレートすぎて、わざとらしさを感じてしまった。
 あとは「うそつき」というポイントが最後少し捻ってあるのだけど、そこがよく意味が分からなかった。さあ、僕だったらここからどう編集するのだろう。難しいね。

読書

ゆれるゆれる
(2006/06)
西川 美和

商品詳細を見る


 詩のボクシングに行ってきました。別件の用事と体調不良で一回戦のみ見て帰りましたが、なかなか面白かったです。
 生の島田雅彦を近くで見ましたがかっこいいなあ。それでいて声も良いんだなあ。世の中不公平だ。


 直木賞候補になった西川さんの作品。とても映像的で、盛り上げ方など見事に作られていて映画みたいだなー、と書こうとして、そういえばこれ映画化されてたんだと思い出した。やるなあポプラ社
 性格の違う兄と弟。その間の一人の女性。
 全てを押し殺した兄と、対照的に奔放な弟という構図は少し記号的で定番ではあるが、その内にこもった黒々としたものを語りという形で見事に描いているし、何よりバイトの男性や叔父の存在など、人物配置やセリフなどそれぞれが完璧に組み合わされていて素晴らしいと思う。小説としてもすごいのだけど、シナリオとしても凄い。これは評価を受けて当然だと思った。
 
 あと、いじらしい母親の回想シーンを読みながら、帰省の日を一日早めようかとふと思った。

読書

さあ、気ちがいになりなさい (異色作家短編集)さあ、気ちがいになりなさい (異色作家短編集)
(2005/10/07)
フレドリック・ブラウン

商品詳細を見る


実はブラウンの短編は僕の好きなタイプではないのです。ラストに持ってくる突然の展開は、なんだか後出しジャンケンみたいでスマートではない、と思ってしまうのですが、それをも越えさせるアイディアの独創性は、奇才と呼ばれるだけのことがあるのも事実です。

 表題作「さあ、気ちがいになりなさい」はナポレオンの精神を持った男が、ナポレオンの偏執狂を演じる話。そのちぐはぐさがウリの作品かと思いきや、どんでん返しもどんでんがえし。トンデモな展開が広がり、あれよあれよと落ちていく。
 
 全体的にそんなブラウンらしい作品が揃っている作品集。そして、この作品集のなによりのどんでん返しは、この本の翻訳は星新一先生だということ。どうりで文章がキレイなわけだ!

読書

ナンシー関のボン研究所 (角川文庫)ナンシー関のボン研究所 (角川文庫)
(2003/06)
ナンシー関

商品詳細を見る


 ナンシー関さんって名前は聞いたことはあったんですが、消しゴム版画家なんですね。へー

 そんなナンシーさんが自分のサイトの日記(つまりブログを)まとめた本。だからさしてとりたてて言及すべきこともないのです。
 まぁ、大食い番組への愛情が見られてなかなか面白いのと、毎テーマごこに載る消しゴム版画の芸能人イラストが大変似ていて爆笑。

読書

パンツの面目ふんどしの沽券 (ちくま文庫)パンツの面目ふんどしの沽券 (ちくま文庫)
(2008/04/09)
米原 万里

商品詳細を見る


 これ面白いぞ。
 何の気なしに、普通のエッセイだと思って借りたのですが、エッセイはエッセイでもパンツなどについてのエッセイ。しかもかなり専門的に調べられていて面白い。

 わかることは、日本人はとにかく清潔な民族だということ。下着をつける習慣や、排泄後に紙を使う習慣などは、世界から見ると奇異なもののようです。更に面白いのは、食文化によるウンチの質の問題まで関わってくるという話。
 後半はズボンとかの専門的な話になって少しダレてしまったが、思っていたより面白い本でした。

読書

スローターハウス5 (ハヤカワ文庫 SF 302)スローターハウス5 (ハヤカワ文庫 SF 302)
(1978/12)
カート・ヴォネガット・ジュニア

商品詳細を見る


 すっげえぞ。これ、すっげえぞ。
 そんな感想しか出てこないこの作品は、ヴォネガット・Jrの代表作であり、SFの代表作でもある。

 第二次大戦でドイツ軍の捕虜になった兵士ビリーは、トラファルマドール星人に連れ去られる。彼は時間を飛ぶ能力を持っており、時間が無作為に交差する。こんな話なのだが、上手くこの本の凄さを一ミリも表現できていないところが悔しい。
 ドレスデンでの空襲。捕虜での生々しい体験。そしてトラファルマドール星人の教え。それらが美しく絡み合い、織物のように一つの作品を作り出す。それは計算しつくされた構成に基づいている。

 特にトラファルマドール星人という設定をもってきたのがすごい。これを除けば戦争文学として成り立つのに、トラファルマドール星人というメタ的な作者の哲学の代弁者を出すことで、作品に深みが増すし、陰鬱な戦争小説に救いが与えられている。とぼけた設定で時間旅行により他人事のように自分を眺める主人公も、作品を軽くするのに一役かっているだろう。
 
 トラファルマドール星人は、時間は常に瞬間であり、永劫だという。そして主人公のビリーに助言する。
 「幸福な瞬間にだけ心を集中し、不幸な瞬間は無視するように。美しいものだけを見つめて過ごすように、永劫は決して過ぎ去りはしないのだから」

 すっげえぞ。これすっげえぞ、としか僕には言えない。それが悲しいが、とにかくすごい本なのである。やっぱり本はいいなあ。SFはいいなあ。


 本の新しい形
http://www.secondtimes.net/news/world/20091117_esquire.html

 webカメラにかざすと、本の中の人が動くという驚き。
 もはや本は活字のメディアではない。

 でも、それでも僕は活字が好きなのです。

読書

祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)
(2000/12)
グレッグ イーガン

商品詳細を見る


何がいいって、タイトルのセンスが良い。これだけで買ってしまいそうになるし、実際に買ってしまったわけなのである。だからSFって素晴らしい。
 
 グレッグ・イーガンのヒューゴー賞・ローカス賞受賞の短編集。表題作を含む11篇の作品が収められている。
 読後感を一言で言うならば、圧倒的という言葉に尽きる。濃密なハードSFの世界がこれでもか、と詰め込まれており、お腹いっぱいになってしまった。
 全編にわたってイーガンらしいアイデンティティの喪失にまつわる話が多い。「ぼくになること」は頭の中に記憶を移した結晶を持つ人々の話であり、自分が人間なのか結晶なのかわからなくなる。それが信仰まで発展させたのが表題作の「祈りの海」となる。

 ハードSFのお手本のような小説なので、耐性のない人にとっては頭が痛くなるような世界観がぐるぐる回るかもしれない。正直、僕も若干専門用語は飛ばし読みした部分があったのも事実だが、それ以上に膨大で細部まで鮮烈な世界の広さに息を呑むことだろう。
 こういうのが好きな人も嫌いな人も、一度は触れていて損はない本。

読書

セックスボランティア (新潮文庫)セックスボランティア (新潮文庫)
(2006/10)
河合 香織

商品詳細を見る


性に関する規制が最近急激に強まっている。アダルトゲームは規制され、サンタフェは廃棄の危機にあり、篠山さんは公然猥褻で捕まえられる。
 「それ」がタブーになったのがいつからか分からない。だが、最近の性に関する規制問題は、戦後の治安維持法を髣髴とさせる様相を見せているのは事実だ。

 健全な人間と同じように障害者にも性欲は存在する。むしろ、健常者と違ってスポーツやその他のことで容易に発散できないぶん、普通の人よりも強いのかもしれない。そうした点に関して僕達はとても無関心であり、何故だか忌避すらしてしまう。
 そうした障害者の性に関する問題について綴った本がこの本だ。
 
 この本に出てくる老人は、ためたお金で月に一度、障害者を受け入れてくれる風俗へ行く。いつもは酸素ボンベが欠かせないが、そのときに限り、酸素ボンベを外して事をなす。
 死の間際に誰に会いたいか、と聞かれて言った言葉は「ソープのキョウコさん」だった。

 それは忌むべきものではない。燃え盛る、生の証だ。酸素ボンベを外して苦しみながら事を行う彼の姿は、まるで苦行僧のようであり、神々しさすら覚える。
 昨今の性の規制は、生の規制だ。障害者からその権利を奪ってはいけないし、僕達が奪われてもいけない。自分達が動物であることを受け入れた上で、自分達と障害者達が何も変わらないことを考えれば、必然的に見えてくるものがあるはずだ。

読書

世界が完全に思考停止する前に (角川文庫)世界が完全に思考停止する前に (角川文庫)
(2006/07)
森 達也

商品詳細を見る


 古本市に行く。なかなか出ている本の数は多かったが、全体的に金額が高めの印象を受けた。だいたいどれも50円くらい高い。ただ、高めの分、出ている本は割と良い本が揃っていて大変嬉しい。
 収穫品
 「祈りの海」グレッグ・イーガン 「スローターハウス5」ヴォネガット・Jr 「ぼくがしまうま語をしゃべった頃」高橋源一郎 「セックスボランティア」河合香織 「世界が完全に思考停止する前に」森達也

 本当はあと二冊欲しかった本があったが、この時点で予算オーバーなので諦める。レジで清算の時に、係りの人が計算を間違えて100円高くなった気がしたが、僕もよくわからなくなったので、まぁいいか、と思った。


 ドキュメンタリー作家、森達也のエッセイ。いつもながらマスコミなどへの危機意識などの記述が多い。そのスタンスは確かに過激な部分も多分にあるが、考えさせられるところが多かった。
 メディアという名の培養液は、使い方次第では僕達に知識などを与えて育ててくれる。だが、その水の中に怠惰につかり続ける僕達のの脳は、巨大化するのではなく、ただゆるやかに腐敗するだけだ。
 考えなければならない。疑問を持たなければならない。
 この世に中立公正なんてことはありえない、ということを理解したうえで、歩いていかなければいけない。
 分かっては、いるけれども。

読書

もうおうちへかえりましょうもうおうちへかえりましょう
(2004/05)
穂村 弘

商品詳細を見る


 なかなかのイケメン歌人の穂村さんのエッセイ。

 なかなかのイケメンにもてない云々を語られてもどうしようもないんです。

読書

宇宙ゴミ大戦争宇宙ゴミ大戦争
(2000)
横田 順彌

商品詳細を見る


 そうか。心が折れるってこういうことなのか。本当に心がスッカスカだわ。わーすごい
 死にたくなると中原中也を読みたくなって、中原中也を読むと死にたくなるという悪循環。
 1ヶ月くらい誰とも話さずに暮らすか、人の頭をビール瓶で思いっきり殴れば心が落ち着くような気がする。


 横田さんの短編集。シリアスなものやコメディ。ショートショートと見事に書き分け、その腕に脱帽する。
 表題作の宇宙ゴミ大作戦はバカバカしいコメディなのだが、梶尾真治とかかんべむさしとか、あの80年代日本SFの持つ、独特なバカっぽいコメディの感じはなんだろう。そしてそんな感じが僕は大好きだ。

読書

江戸の町は骨だらけ (ちくま学芸文庫)江戸の町は骨だらけ (ちくま学芸文庫)
(2004/08/10)
鈴木 理生

商品詳細を見る


刀って死体とか試し切りして、どこまで斬れるかでその値打ちがきまったらしい。すごいなー

 そんな話とかもろもろ。

読書

海の空 空の舟 (講談社文庫)海の空 空の舟 (講談社文庫)
(2004/05)
上野 哲也

商品詳細を見る


 まだまだ、いける、ぞー・・・


 表題作は小説現代新人賞作。
 少年モノの中でも、少年ならではの性についてを含めたパターンの作品。いわばオナニー少年モノである。

 町を去る辰雄が初恋の女の子を思い出しながら、自らの内なる衝動を色んな物にぶつけていく。
 
 主人公は周りに心を開かぬ悪ガキ。その内なるものはドロドロとしていて、爆発しそうに熱い。廃屋の屋根に上って、瓦の上で全裸オナニーをするくだりは、思わず笑ってしまいそうになった。でもまあそれだけの暑苦しさは嫌というほど伝わってきた。
 冷静に見ると、ストーカーじみていてわりとダメな主人公なのだが、性に目覚めつつある少年の話というととても聞こえが良いのは何故だろう。

読書

ファイティング寿限無 (ちくま文庫)ファイティング寿限無 (ちくま文庫)
(2005/08/10)
立川 談四楼

商品詳細を見る


 中表紙に立川さんのサインがあって嬉しい嬉しい。

 この本を表現するならば、解説の北上次郎さんの評を引用するのが一番良いだろう
 「うまいぞ、びっくりするぞ」

 駆け出しの落語家が、落語家として売れる為にボクシングを始める。どうやら彼には素質があったらしく、ボクシングでのチャンピオンロードをあっという間に駆け上がっていく。しかし彼の本業は落語。どうする!
 まぁそんな話。
 
 北上さんの評どおり、面白い。びっくりする。特に落語家ならではのスピード感とテンポの良さは、並みの小説家では出せないものがある。一方で場面展開などを省略しすぎた点もあったが、そのあたりは味としておこう。
 ケチをつけようと思えば、いくらでもできる。もっとボクシングと落語家との葛藤を描いて欲しいとか、ちょっと出来すぎだとか、女子アナ何の為にだしたとか。
 でも、そんな所を差し置いて、純粋に楽しめる本であった。それぞれ演出の効いた場面構成などでラストシーンには思わずうるっときそうにもなった。

 落語が好きな人、嫌いな人問わず、楽しめる本。面白いぞ、びっくりするぞ

読書

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)
(2003/01)
高野 秀行

商品詳細を見る


 先週はいろいろとバタバタして疲れたので、今日は完全にオフ。
 楽器屋でギターを見ていたら、その場にいた年配の人と意気投合して高価なギターを触らせてもらえることに。ついでに店員さんもノリで掘り出し物を出してくれたりして、大変楽しかったのです。
 別に趣味程度でやってるだけの僕でも、明らかにギターの音が違うのにとても感動しました。18万のギブソンは試奏させてもらって、エクスタシーを覚えました。欲しいなあ。そういえばギターってウイスキーに似てますよね。

 午後は古本市に行くが掘り出し物は特に無し。ケストナーの「飛ぶ教室」と高野秀行の「幻獣ムベンベを追え」と立川さんの「ファイティング寿限無」を購入。
 家に帰って開いたら、立川談四楼のサイン本であることが判明。なんかすごい嬉しくなって、救われた気がする。神様!


 古本市で購入した一冊。かの早大探検部のノンフィクション小説。
 幻獣ムベンベを追って、コンゴに行く探検隊。この本で一番ポイントになってくるのは、コンゴの辺境という、閉鎖的な文化のことだ。噂に聞く、荷物がパクられたり、伝統という名で探検を妨害されたりと、日本では想像付かぬハプニングが次々起こる。とくに金銭面でのタカリが国の規模で行われる点には驚かされるし、国の人間もポーターも悪意からやっているわけではない所がなによりショックを受ける。つまり、やはり良い意味で日本人は平和ボケしているのだろう。良くも悪くも、人間貧すれば窮するのだ。
 ハエやマラリアといった劣悪な環境に食べ物も無く、いったい何のために、何をもとめてこんな半分ばかばかしいと思えることをやっているのか疑問すら覚える。僕は絶対こういう旅行はできないし、やりたくもない。だが、心の半分で羨ましさも覚える。全員が一丸となって苦難を乗り越え、ぶつかってケンかもして、やりきった思い出は、きっと美しく、かけがえの無いものだろう。これからの人生において自信と糧になるだろう。
 彼らに比べたら、まだまだ僕は。僕が追うものはムベンベではないけれども、少し元気を貰って、僕の追うべきものを追いかけようと思ったのである。

読書

天の光はすべて星 (ハヤカワ文庫 SF フ 1-4)天の光はすべて星 (ハヤカワ文庫 SF フ 1-4)
(2008/09/05)
フレドリック・ブラウン

商品詳細を見る


 まずタイトルが素晴らしい。次いで装丁が素晴らしい。表紙だけで思わずレジに持って行きたくなるそんな本。こんなの作りたい。

 鬼才ブラウンの代表作。来年はSF大会に行こうと思ってるのでこれくらい読んどかんとね!という感じで借りてきました。
 
 主人公は老年にかかりかけの男性。ロケットで宇宙に行くことに全力の情熱を注いでいる。そこに登場するのは女性議員。彼女は木星への宇宙ロケット打ち上げを公約にして選挙に出馬する。男性の力を借りて当選した彼女は、男を信頼し、仲を深めていく。そして。

 主人公の男性がむりやりロケットに乗り込むのだろう、というのは読めていた。でもそれだと女性の存在があまりにも大きすぎる。と思ってたら、女性が死んだ! やっぱり!
 で、女性の意志を引き継いで宇宙に飛び立つのかと思いきや、っこで見事にひっくり返してくれるのがブラウンの鬼才たるところ。
 途中まであまりにも手堅くい話だな、と少し拍子抜けしていただけに、後半のどんでん返しは見事だった。
 ラストは、次の世代の子供達と共に、宇宙に飛び立つロケットを見上げて終わる。文字だけなのに、それだけで映画のワンシーンのような美しさ。さすがだなあ

 ここらへんで、あれどっかでこの構造見たぞ、と気づく。なんだかグレンラガンに似ている気がするぞ。そういえば最終話のタイトルこんなんやなかったかな、と思っていたら、解説をグレンの脚本家が書いていた。やっぱりオマージュしているそうな。なんとびっくり。

 大事なファクターである女性が少し記号的で、配置がわざとらしい感じもしたが、それを補って余りあるスピード感と映像的美しさ。特に、緩急の付け方がすばらしい。優れたSF作家ほどストーリーテリングが上手いものはいないだろう。
 ハリウッドはこういうのを映画化するべきだと思う。名作の誉れにふさわしい名作

読書

のどか森の小さな天使ピ・コ・パ (PHP創作シリーズ)のどか森の小さな天使ピ・コ・パ (PHP創作シリーズ)
(2000/04)
沢田 徳子

商品詳細を見る


 20分かけて会社に着て行くシャツとパンツを決める。10分かけて会社に着て行くジャケットを決める。15分かけて会社に履いていく革靴をピカピカに磨く。
 時間の40分前に着き、近所のコンビにの雑誌をあらかた読み終える。
 食事の前には、ウェイターばりに給仕をする。
 食べてる最中にサラダのレタスを落っことす。
 帰宅してビールとじゃがりこをつまむ。緊張が解けた反動でえらくお腹がすいてきて、更にそこからカップ麺を空ける。

 なんてチキンな私!!


 
 動物達がくらす村。その中のライオン署長の庭に、謎の卵型の物体が落ちてくる。その中から出てきたのがピタパと名乗る宇宙人の子供。緑色で触覚をもった、ナメック星人のような生き物。でもデンデよりはかわいい。
 そしてピタパはライオン署長が育てることになり、二人の生活が始まった。

 この本の問題点は、いろいろある。ライオン署長がもとから人格者だから、別にピタパと暮らしたことで変化が無い、とか、そんなにピタパが話の中心じゃない、とか。
 てか、ピタパが来たことが何か変化に繋がっている点がほとんどなく、僕が一番許せない、ドラマ性というものが完全に欠如しているのだ。
 ドラマが全てだと言うつもりは無いが、どうしてもカタルシスの解放がないとフラストレーションがたまってしまう。また、そうしたアンチドラマ性の上手さを分かるにはある程度小説を読み込んでないと出来ないのであって、児童書でそれを子供に求めちゃいかん、と思ったのである。
 まぁ、挿絵が思ったよりかわいかったので、こんなとこにしておこう。
 

読書

ムーミンを読むムーミンを読む
(2004/04/06)
冨原 眞弓

商品詳細を見る


 大勢の人が読んだであろう児童書の代表格であるムーミン。僕もその中の一人であり、その夢に満ちたムーミン谷に幾度も思いをはせたものだった。
 それからもう何年もムーミンを読んではいないけれど、ふと図書館でこの本を借りてみて思い返すムーミン谷は、必ずしも幸せに満ちた世界ではない。むしろ、なんとなく暗い、どこか歪んだ世界だ。

 優れた作品には、必ず毒がある。適量の毒は最高のスパイスとなって作品の味を数倍にも膨らませるが、それは多すぎても少なすぎても正しい効力を発揮しない。
 今、ムーミンから感じ取れる暗さ、とはその毒なのだろうか。スニフのひねくれっぷりや、ムーミンパパの家長としてのアイデンティティ、海へ行ってホームシックにかかったムーミンママ。
 当時では読み取れなかった、ムーミンの持つ生々しい心情。更に言うなれば、モッラやニョロニョロだって様々な読みが可能なわけで、ムーミンは素晴らしい文学だったのだ、ということを今になって気づかされた。
 
 ムーミン谷の仲間達は、とても暖かく、仲が良く、同時にそれぞれが孤独だ。そこに作者の境遇を見ることができるし、人間のあり方を見ることもできる。
 今ならば、あの時みえなかったムーミン谷の姿が見えるのかもしれない。今だからこそ、ムーミンを読むべきなのかもしれない。ねえ、ムーミン

 よく考えたら、朝から今日はずっと不運が続いてるんだななぁ。厄日だったのかなぁ

 http://www.asahi-net.or.jp/~DM1K-KSNK/poetry-boxing.htm
 詩のボクシングというイベントがありまして、もうすぐ全国大会が行われます。
 先行でチケットを申し込んでいたのが届いてきて、少しわくわくしてきました。小説を書かないと小説家にはなれないが、詩は書かなくても詩人になれる、と言ったのは、谷川俊太郎だったか高橋源一郎だか。ともあれ、言葉を極限まで研ぎ澄ました芸術である詩とは、なんとも美しいものだと思うのでとても楽しみです。これが今日一日の中でせめてもの救い。

 http://konicaminolta.jp/plaza/schedule/2009november/ehon/exhibit.html#galleryB
 新宿でまた絵本展があるそうです。
 絵本だとか児童書だとかは、心が疲れたときにふと読みたくなります。いいものですね。今度見に行こうかと思います。

 今日の読書記録はありません。

読書

小説作法ABC (新潮選書)小説作法ABC (新潮選書)
(2009/03)
島田 雅彦

商品詳細を見る


 小説のハウツー本は基本的に使えない、というのが世の常識。精神論を語るか、偉そうなこと言うわりにあんたそもそも小説家じゃないじゃん、とかのパターンか、文豪の書く凡人にはいまいちよく理解できない文章読本タイプか。
 そういうものばかりであんまり読むことはなかったのですが、島田雅彦がハウツー本を出したというので、予約して借りてきました。

 結論から先に言うと、この本は今までに出た小説ハウツー本の中で、最高に使える本だと思います。
 論理的に項目別にポイントが書かれ、そのそれぞれが実際に書く上で不可欠なものばかりであり、小説家養成系はこの本をぜひテキストにすべきだと思います。
 
 ただ一つ問題としては、なんというか、分かっていても書けない事ってあるよね、ということ。まぁ、握りがわかっていても簡単に変化球が投げれるわけではない、という話なのであります。

Extra

プロフィール

scapa

Author:scapa
FC2ブログへようこそ!

最近の記事

フリーエリア

フリーエリア

フリーエリア

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。