サイトマップ
読書とギターとブログと |2009年03月
FC2ブログ

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

読書

嫉妬の世界史 (新潮新書)嫉妬の世界史 (新潮新書)
(2004/11)
山内 昌之

商品詳細を見る


 僕達みんな人間ですから、人の成功に嫉妬します。親しければ親しいほど、祝福の気持ちと同時に嫉妬の心も湧くはずです。もう僕なんて嫉妬してばかり

 僕だけじゃなくて、歴史上の人たちも嫉妬しました。それは時に争いを呼んで、歴史が作られていったわけで。この本はそんな嫉妬の歴史について書いてます。

 面白いのは、吉良さんについてですね。例の忠臣蔵の人です。僕は知らなかったのですが、吉良家ってややこしかったらしいですね。石高とかは低いのに、立場は高くて、他の大名を指導する。浅野家だけではなく、結構他の大名もイラッとしていたようです。浅野家の一件はそんなもろもろも嫉妬もあったのだとか。

 ギャクの例としては、有名な武田家。信玄と信繁が兄弟なのに完全に主従として生きたのはあまりにも有名です。
 
 結局、嫉妬されないためには、自分の分をわきまえて、謙虚に生きることだと思いますが、そうもいかないですよね。人間ですから。
 でも、嫉妬するから、人は頑張ろうと思う。あいつに負けたくないと思って努力する。そうやって進んできた一面もあるわけで。難しいな、と思いました。
スポンサーサイト

読書

機関車先生 (集英社文庫)機関車先生 (集英社文庫)
(2003/03)
伊集院 静

商品詳細を見る


 いわゆる「離島モノ」って、もうそれだけで泣けてくるんですが、そこに口のきけない先生ですからね。涙ぼろぼろです。

 昔、ドラマ化もしてた気がします。離島に臨時教師としてくる口のきけない先生と生徒の絆。

 面白いのは、悪者の網元がいるわけですが、その息子は周りからいじめられたり、またいじめたりもしない。よくあるパターンでは、大人の事情をそうやって子供社会にも持ち込みがちですが、大人は大人。子供は子供と線を引くことで、大人の醜さ、子供の純粋さがそれぞれ際立っていたように思います。

 あと、方言ってズルイとおもいます

読書

信長の家臣団―「天下布武」を支えた武将34人の記録 (学研M文庫)信長の家臣団―「天下布武」を支えた武将34人の記録 (学研M文庫)
(2005/09)
樋口 晴彦

商品詳細を見る


 信長ってやっぱりカッコイイですよね。あのうさんくさいマントとか着こなせるのは信長しかいないよなあ、と改めて思うわけです。安土城見たかったなぁ

 この本は、信長の家臣34人について1人づつ書いてある本。聞いたことある人から知らない人まで色々読めてこれはなかなか面白い。
 かなり驚きは、滝川一益や明智光秀はもともと鉄砲手だったということ。明智さんってインテリなイメージがあるから意外でした。あ、でもスナイパーと考えれば妥当か。というか、滝川って忍者で明智は軍師じゃないのか、と思ってしまった僕は戦国ランスのやるしぎだと思いました。あーあ

 歴史書を読むたびに、成功者って様々な運とかもろもろが絡み合ってのし上がったんだなぁ、と感じます。実力だけじゃない何かが多分にあって、それは不公平なようである意味公平なのかもしれないとも思います。世の中は不公平である、という事実が、僕達に与えられる究極の公平な事実なんじゃないでしょうか。
 ま、世の中なるようになる、ということで

読書

わたくしだから改 (集英社文庫)わたくしだから改 (集英社文庫)
(2002/05)
大槻 ケンヂ

商品詳細を見る


 一時期、聞いてた時期もありました。筋肉少女帯。上手い文章を書くのはリズム感が必要と言われ、だからバンドとかやってた人間が小説で当たったりします。辻一成とかもそうですな。大槻ケンジもその1人で、ちゃっかり星雲賞を取ってるからニクイですね。

 そんな大槻ケンジのエッセイ。読み終わって、面白かったのか面白くなかったのか、イマイチよくわかんなかった本だけど、なんか適当にバラバラな原稿をまとめた感が、闇鍋的なあやしさを出していて、いやあパンクロッカーらしいエッセイだなあ、と思いました。

読書

海辺の光景 (新潮文庫)海辺の光景 (新潮文庫)
(1965/04)
安岡 章太郎

商品詳細を見る


 安岡章太郎といえば、国語便覧に載っている写真がとても好々爺で、なんか日向ぼっこしながら猫とか撫でてそうな感じなのだが、エッセイなどをよむと遠藤周作など悪友よのやんちゃぶりが見れてなかなか面白い。かと思うと、こういう純文学作品では、とても切れ味鋭く、スッと冷たい印象を受けるから不思議だ。

 この作品は、安岡さんの戦後文学最高傑作と名高い作品。これが100円で買えるんだから、そりゃ出版不況ですよ。
 戦後と、貧しい家族。元軍人の父と、発狂し精神病院で死を迎えようとしている母。そんな一家の物語が静かに描かれている。
 父のダメっぷりなどを見ていると、やはり父が家長としての権威を落とした契機は、敗戦だったんじゃないだろうかと思う。敗戦で、軍人だった男たちは自分達の戦争の虚しさを感じてしまい、やる気をなくす。そんな中、リアリストの女性はなんとか生活を守らにゃならんので、働き出す。この構造が、父の権威を失墜させたんじゃないだろうか。そんなことを思った。
 
 他にも数作品が収録されているが、「宿題」なども面白い。安岡さんと言えば、「サーカスの馬」的な正統派の作品が多いと思っていたので、こういう幻想文学に近いものを書くとは驚きだった。

 

読書

ぼくが電話をかけている場所 【講談社英語文庫】ぼくが電話をかけている場所 【講談社英語文庫】
(1989/05)
レイモンド・カーヴァー

商品詳細を見る


 カーヴァーやフィッツジェラルドといえば村上春樹なのですが、というわけで村上春樹訳。

 カーヴァーの短編を読むと、ああ、村上春樹がすごい好きなんだなぁ、としみじみ実感できる。全てを語らず、掴みどころのないもやもやした感じや、例えば夫婦などの近すぎず遠すぎずの距離感などなど。
 それを春樹が訳しているのだから、そりゃ村上春樹っぽいわけだ。

 フィッツジェラルドなんかはあまり春樹臭はしないのだけど、カーヴァーがこれだけ春樹っぽいのは、やはりそれだけ方向性が似ているからなのだろう。

 カーヴァーはあまり読まないけれど、嫌いではない作品

読書

新潮現代童話館〈1〉 (新潮文庫)新潮現代童話館〈1〉 (新潮文庫)
(1992/01)
不明

商品詳細を見る


 童話の面白さ。それは、純文学以上に生々しい残酷でリアルな人間の姿が描かれていることだと思うわけです。
 この世は全然平等じゃないし、人間は思っているより醜くて不親切な生き物だということを、ひらがな混じりの柔らかい言葉でさらりと書いているから、余計に怖い。ぞっとする。でも、面白い。ゾロリがあれだけ面白いのも、ゾロリが結局はアンチヒーローで努力があまり報われないから面白いのだ。童話の本質は悲劇にこそある。世の親御さんは子供達に小川未明童話集を買い与えよう。

 これは最近の新進童話作家の書き下ろし童話集。知らない人から、超有名所の作家さんまで結構豪華なラインナップ。三木卓。佐野洋子。舟崎克彦。斉藤洋。いやもうわくわくしますね。

 童話だと思って軽い気持ちで読んだら、頭をぶんなぐられて驚いた。重い。とても重い。全力でお腹のど真ん中にぶつかってきて、僕はウウと思わず呻いてしまう。この苦しさこそ、童話なのだ。世の親御さんは小川未明童話集を買い与えよう。

 こんな童話達が手足を縛るようになってしまった僕は、やはり大人になったのだろう。昔は。もっと、これらが言いたいものは僕をすり抜けていた気がする。それだけ、澄んでいたのだ。
 汚れてしまった僕の心は、埃で汚れで目詰まりしてしまっていて、童話が語る現実を受け止めてしまう。理解して、自戒して、反省して、空を見上げてしまう。ああ、汚れちまった悲しみに。

 面白い本だった。でも、子供の頃のように童話を読めなくなってしまった事が、とても悲しかった。

読書

20世紀SF〈1〉1940年代―星ねずみ (河出文庫)20世紀SF〈1〉1940年代―星ねずみ (河出文庫)
(2000/11)
アイザック アシモフブラウン

商品詳細を見る


 SFで一番好きなのは、やはりハインラインやアシモフやハミルトンなどの古典SFですね。当時は宇宙に関する知識などはぜんぜん未発達で、だから読んでいると滑稽だったり破天荒だったりするものが多いわけで、だからこそSFは文壇からバカにされ続けてきたのだけれども、だからこそ、当時のSFは面白かったのではないかと思うわけです。
 そこには、現在のハードSFのような正確さやリアルさはないかもしれないけれど、純粋な宇宙や近未来への憧れがあり、希望に満ちているように思うのです。
 どれだけ子供の読み物だと言われようと、僕は銀色の流線型の宇宙船が飛びまわり、光線銃をぶっぱなす世界が大好きなんです。

 この本は、そんな古典SF。1940年代のSF傑作をまとめた本。表題作の「星ねずみ」なんかはとてもバカバカしいのだけど、何だか心温まる一作。
 美しさだとブラッドベリの「万華鏡」だろうか。仕組みとしては入れ子型なんだけど、それを耽美に作ってある。アシモフかな、キリスト誕生のとき輝いた星と、どこかの異星人が住んでた星の死をかけた短編があったけど、あれに近い気もする。
 スタージョンの「昨日は月曜日だった」は僕の好きなタイプ。

 やっぱり古典SFは良いなあ。

 

 

読書

絶望の書・ですぺら (講談社文芸文庫)絶望の書・ですぺら (講談社文芸文庫)
(1999/08)
辻 潤

商品詳細を見る

鼻水が止まらない。

 辻潤といえば、ダダイストで有名だ。ダダイストと聞くと、僕は何故か熱狂的な太宰治マニアのことのように思ってしまうのだが、全然違いますね。でも方向性としては似てるような気がするので、とりあえず、みんな死んじゃえばいいのにとかこの世はクズだとか思うとダダイストだと思うようにしています。なんだ僕もダダイストじゃないか!w

 うさんくさいカタカナ言葉にまみれたエッセイの他に、時々短編小説が混じっていたりして構成がおもしろい。
 エッセイは、特殊単語とわりと偏った思考のおかげで非常に読みづらい。ただ、時代のせいか、ユーモレスクを「ふもれすく」と表記しているのは、なんとも言えぬおかしみがあって、ちょっと嬉しくなった。
 基本的に、「ウツ」と言ってしまえば全てが終わってしまう気もするが、それにもめげず、頑張って書いているので、こちらも頑張って読もうと思う。でも読みにくいから、「ウツ」となる。こうしてなるほど辻潤はダダイストを育成しているのか、なるほどー、と感心させられた一冊であった。

読書

陽のあたらない坂道 (新潮文庫)陽のあたらない坂道 (新潮文庫)
(1996/04)
清水 義範

商品詳細を見る


 光あれば影あり。成功者いるところには敗北者がいる。
 この作品は、そんな勝ち組の影に隠れた、二番手がいつもいたのではないか、というフィクションだ。フィクションだけども、何故かリアルで生々しくもある。

 アポロで月に降りれなかった人の理由も面白いし、山内一豊の隣人の妬みも面白い。読んでると、勝者と敗者の違いは、才能や努力の差ではなく、ふとした運や偶然によるんではないかと思う。人生なんて、案外そんなもの。分かっていても、敗者は悔しい。敗者の道をよく歩んできた僕も、悔しい。結構、いろいろと運によるから悔しい。
 なんか、ボチボチ頑張っていこう。そう思いました

読書

林先生に伝えたいこと (角川文庫)林先生に伝えたいこと (角川文庫)
(2000/01)
灰谷 健次郎

商品詳細を見る


 灰谷さんの本を読むと、大きな歯ブラシで心を磨かれるような気がする。汚れやくすみが取れて、綺麗になるのだが、むき出しになった心に灰谷さんの優しさが直に伝わってきて、なんだか痛い。

 灰谷さんの島暮らしの思い出や、女性から送られてきた手紙についての思いなどが、エッセイとしてまとめられている。

 灰谷さんの書く、元気で美しく鋭い子供達の姿をみていると、ああもうゴメンナサイと何か虚空に向けて平謝りしたくなる。なんて汚れてしまったのだろうと、たそがれるつもりは無いけれど、やはり僕達の目は、どこか目詰まりしていると思ってしまう。
 思うたびに、惜しい人をなくしたと実感する。もっと生きて、もっと本を書いて欲しかった。「天の瞳」を完結させて欲しかった。
 灰谷さんの本を読むたびに、同じことを考え、同じことを思う。

読書


(狂女王フアナ)


商品詳細を見る

僕はこのフアナという女王を知らなかったのですが、あのイザベル女王の娘なんですね。そしてあのカール5世の母。すごい人なんです。

 フアナは幼い頃から聡明で、美しかった女性だったそうな。それが、夫のフェリペの浮気と死などから、だんだん常軌を逸した行動を取るようになる。死んだ夫の亡骸に話しかけたりした行動から、狂女王と呼ばれるようになったのだとか。

 一人の恋する女性として生きたかったフアナ。彼女の不幸はダメな夫のせいでも、政略結婚をさせた両親でも、自身の性格のせいでもない。そういう時代に生まれてしまったせいだ。
 
 肖像画を見ると、今でも美人で通る、スレンダーで、整った顔を持つ芯の強そうな女性がそこにいる。もっと素晴らしい恋をし、輝かしい夢を追うことができただろうに。
 イザベルやルイ18世だとかシャルルだとか、有名な人ばかり歴史で学ぶが、歴史に翻弄された普通に生きたかった人々がたくさんいることを、しみじみと感じさせられた。
 今を生きられること。それはとても幸せなことなのだと、そう思う。

読書

啓蒙かまぼこ新聞啓蒙かまぼこ新聞
(1987/12)
中島 らも

商品詳細を見る


ネットにダマされて、Cドライブのデータが消えることに。ほとんど復元できたけど、大事なテキストデータが消えたのは痛いなぁ。ネットって怖い怖い

 この本は、中島らもがカネテツのコピーライターとして新聞?めいたものを作っていたものをまとめた本。らもさんの書いた4コマとかが載っていて面白い。
 本を貸してくれた友人は、基本的に変人なのだが、らもさんの面白さを教えてくれた点は高く感謝したいですね。

 しかし、なにより思うのは、らもさん若っ! そして結構カッコイイからさらに始末が悪いのだ。ズルイねえ

しみじみ

 用事を済ませた後、高校時代の親友と待ち合わせて新橋で飲む。ところがさすが新橋サラリーマンの町。あらゆるお店が黒い背広の人でいっぱいだったので、結局ホームの町に戻る。
 
 二人で調子に乗って飲んでいたら、お会計が「げっ」という額に。このお金の飛ぶ時期に「げっ」と思いながら「げっ」という額を支払う。
 
 改札で手を振りながら小さくなる友人の背中。

 もうすぐ配属が決まり、今までのようにすぐに会えなくなる友人。僕はまた一つ、大人になった。

 なんだかこみ上げてくる涙は、上を向いてごまかしたのだった。

読書

中島らもの特選明るい悩み相談室〈その2〉ニッポンの常識篇 (集英社文庫)中島らもの特選明るい悩み相談室〈その2〉ニッポンの常識篇 (集英社文庫)
(2002/09)
中島 らも

商品詳細を見る


 らもさんが読者からの悩みをズバッと斬る本。
 村上春樹もこういうのやるんだけど、エッセイとか相談本とかって、作者本人のウィットのセンスが直に出る気がして面白いですね。

読書

カレル・チャペック短編集カレル・チャペック短編集
(2007/11)
カレル チャペック

商品詳細を見る


 体調は完治しないが、行かなければいけない所はあるわけです。でもやっぱり本調子じゃないというのは、時に信じられないポカをやらかすもので。いくらなんでも逆の電車乗って、あげく降りる駅を平然と間違えたのは、本当にヤバイんだな、と思いました。

 で。チャペックといえばロボット。ロボットといえばチャペック。僕はその程度の認識しかないのですが、短編の名手のようです。
 一人語りなどが多く、かなり特徴的な文体を操るチャペック。反キリストの立場の独白など、違った角度からの「正義」の語りには、なんだかハッとさせられ、特に昨日、キリスト教の矛盾の話を読んだために、ますますキリスト教の妄信へ懐疑の念が強まったりもして面白かった。
 けど、時々読みにくかった。クセがある文章のデメリットはそこですね。合わないとちょっと苦しい。そんなあたりはずれのある本でした。まー、好き好きかと。

読書

骨の火 (講談社文芸文庫)骨の火 (講談社文芸文庫)
(2004/11)
森内 俊雄

商品詳細を見る


なんか、いろいろとぐるぐるしたものが一気に肩から下りて、緊張が解れたというか切れたというか。そんなわけでいっぺんに体調を崩して、一日寝ていました。こんなに体調が悪いのはいつぶりだろう。それにしても、精神が体に及ぼす影響は凄いものですな。みんなで頑張ったのに、あんまり報われなかったショックは結構こたえるものです。ハックショイ!

 さて。この本はカトリック文学。キリスト教関連の文学といえば、井上ひさしや遠藤周作が有名すぎるわけだが、この本は、それらのものとは少し違う。キリスト教にひそむ、矛盾や限界。そんなものが見え隠れしてくる。
 漆山は、下宿先の母娘と関係を持ち、その後、二人を死に追いやってしまったことが楔となり、心を病む。そしてその娘の父もまた、心を病み、漆山を執拗に追い回す。
 彼らはキリスト教に救われたのではない。キリスト教に縛られたため、苦しんでしまう。救われる者は狂信的な者だけだ。それが出来ない人間には枷となる。宗教の難しさはそこにある。
 話の中に挿入される中原中也の詩。僕も大好きなわけだが、その厭世観漂う雰囲気が、この作品の主張を色濃くさせている。
 最後に漆山がバラの花に囲まれて死ぬシーンは、色鮮やかで、まるで映画のワンシーンのようだった。こういうの、映画化して欲しいですね。

 僕はどの宗教も特に信仰はしない。ただ、何かにすがるために存在する宗教に、すがりきれない人間はどこへ逃げれば良いのか。宗教の限界と矛盾の一端について、少し考えさせられた。

読書

ママ・グランデの葬儀 (集英社文庫 40-A)ママ・グランデの葬儀 (集英社文庫 40-A)
(1982/01)
ガルシア・マルケス

商品詳細を見る


 色々一段落したので、行き付けの古本屋に行ったら発見。買ってしまった。

 ご存知ノーベル賞作家、ガルシア・マルケスの短編集。マルケスとか最高峰の作家の作品を読むと、なんだかスクリーン越しの無味無臭な世界ではなく、痛みや匂いを五感で体感できる世界がそこに広がっているような気がする。その濃厚な空間を書くことが出来る力こそが、ノーベル賞を取る所以なのだろう。

 この作品集の1作目は名作「大佐に手紙は来ない」。 
 僕がマルケスを知ったのもこの作品で、文学界だか群像だかで紹介していたこの作品の内容に僕はしびれてしまい、いつか読んでみたい作品だった。
 内容はいたってシンプル。退役した老軍人が、恩給給付の手紙が来るのをひたすら待ち続けるという話。だが、その中の極貧と言える軍人夫婦の生活。ゲリラ活動をしていた息子が死に、形見の闘鶏を自分達の食費を削っても大事にする姿には、哀れと言うより、狂的なものすら感じる。
 手紙を待ち、鶏を育てる軍人に、妻は言う「ねえ、私達は何を食べたらいいの?」 最後に軍人は吹っ切れたように「クソでも食うさ」と言い放つ。

 マルケスの作品に通じて言えることだが、そこには奇跡も人の善意も神の恩恵も何も存在しない。性悪説とは言わないが、ドラマチックな変化や成長など幻想だと言うリアルが描かれている。こういうシビアな現実は、もうブクブクの日本人には書けやしない。戦後の日本人ならともかく、今の日本人には書けやしない。その事実を、僕達は喜ぶべきか、悲しむべきか。
 日本文学は停滞している。そしていつも、創造は欠落より生まれていく。月並みな表現だが、日本文学に足りないのはハングリー精神かもしれない。なんだかそう思った。

読書

20世紀SF〈4〉1970年代―接続された女 (河出文庫)20世紀SF〈4〉1970年代―接続された女 (河出文庫)
(2001/05)
ジェイムズ・ジュニア ティプトリーアーシュラ・K. ル・グィン

商品詳細を見る


 ティプトリー・ジュニアの名作、「接続された女」が載っている70年代SFの傑作集。

 個人的には、グ・ウィンの「アカシア種子文書~」がかなり面白かった。こういうボルヘスちっくなの大好きなんですね。

 思ったのは、全体的に読みにくいな、という印象。読みにくい、というか僕がシュールリアリズムが好きなせいもあるんだけど、やっぱり年代のせいか、設定が細かく創られたハードSFが多い気がした。
 いわゆるSF!って感じのSF。こういう作品達がSF界を作っていったんだけど、今読むと少し古く感じるのも事実。それは良いわけでも悪いわけでもなく、すべからく進化なのだ。そして、新しいSFが生まれていく。こういうのは時代の変化を感じれて本当に面白いですね。

読書

ブラック・ジャック・キッドブラック・ジャック・キッド
(2007/11)
久保寺 健彦

商品詳細を見る


 ブラックジャックが好きだった。ああいうダーティなヒーローというのは、いつだって子供の心を捕まえて離さない。カッコ良かった。今、僕は彼に近づけているのだろうか。

 この作品は、ブラックジャックになりたいと思った少年が主人公。彼はメス投げを練習し、黒い服を着る。投影から、やがてアイデンティティを確立するというパターンの作品。
 ポイントは抑えていたが、ファンダジーノベル大賞受賞作にしては、少し薄くないかい、と思ってしまった。
 僕だったら、ブラックジャックの父親ネタをからませてどんどん暗くするんだけど、やっぱ発想が純文学だなあ。
 ただ、全体的にライトなおかげで読みやすいのも事実。なるほど、難しいもんです。でもピノコポジションの子は最初から出さんといかんやろ、とは思った。

読書

新・戦国史談新・戦国史談
(1996/09)
童門 冬二

商品詳細を見る


いつの世も、出来る人間は上に登って行くが、いつの世も、出すぎる杭は叩かれる。
違うのは、戦国時代は命がかかっていたということ。

黒田如水の危機感知能力はさすが。だが、それゆえに彼は頂点を取れなかった。人の妬みや嫉みの気持ちが悲しいほど分かってしまったがゆえに、天下を取ることが出来なかった彼の生き様をどう思うだろうか。

いつの世も、集団の中で生きていくのは難しい。そう思う。

読書

いさましいちびのトースター火星へ行く (ハヤカワ文庫SF)いさましいちびのトースター火星へ行く (ハヤカワ文庫SF)
(2000/01)
トーマス・M. ディッシュ

商品詳細を見る


SFの巨匠、ディッシュの書く児童向けSF。トースターやラジオ達が火星に向かう。

なんというか、設定のしょうもなさを笑う作品ではなく、むしろトイ・ストーリー的な暖かさを楽しむ本なのだ。たぶん
ちょっと微妙だった気がするのは、きっと気のせいだろう。たぶん

Extra

プロフィール

scapa

Author:scapa
FC2ブログへようこそ!

最近の記事

フリーエリア

フリーエリア

フリーエリア

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。