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読書とギターとブログと |2009年02月
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読書

現代文明は生命をどう変えるか―森岡正博・6つの対話現代文明は生命をどう変えるか―森岡正博・6つの対話
(1999/02)
森岡 正博柴谷 篤弘

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 アポトーシスという遺伝子がある。死をプログラムされた遺伝子で、例えば胎内で手の水かきの部分の遺伝子が自ら死ぬことで、僕達の手の形に育つと言うしくみ。レミングの集団自殺もこの遺伝子のせいとかもろもろ諸説あったり。

 色んな殺人事件とか、自殺とか、色々あるけれど。それすらプログラムされたものだとしたら。多すぎた人口を調整する為に神の見えざる手が働いているのだとしたら、それを僕達はどう裁くのだろうか。
 もちろん空想だけど、そんな可能性はゼロではない。でも、僕達は自分達人間を動物達と同じ地平で「生物」として考えようとしない。いや、それを避けているような気もする。けれど、僕達は「人間」じゃなくて「動物」だ。
 僕達は偉くはないし、特別な存在じゃない。けれど
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読書

金輪際 (文春文庫)金輪際 (文春文庫)
(2002/11)
車谷 長吉

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本を読んでいると、なんだか良い本が続くときと、あんまりそうでもない本が続くときがあります。まぁ、運の流れみたいなもんでしょうか。
 そして、ちょうど今は良い時なんだろうな、とこの本を読んでいて思うわけで。そしてやっぱり文学っていいもんだな、と思うわけで。
 まぁ、何にせよ、素晴らしい本に巡り合えると言うのは嬉しいことだと思うわけです。

 色んな人の業を感じさせる作品のつまった作品集。ちょっと私小説のようでもあり、幻想小説のようでもあり、特に最後の「変」などはどこまでがリアルなのか。それともあえてリアルを描くことでのアンチリアルなのかとか考えさせられます。
 僕が一番好きだったのは、「金輪際」 幼い頃に、業を与えた思い出と与えられた思い出がフラッシュバックする。
 いつも思うのだけど、ねじめ正一とか、宮本輝とか、子供を上手く描ける人って本当に凄いと思います。あの、純粋で、残酷で、傲慢な年頃の子供と言うのは・・・いやあ、僕にはとても。
 車谷さんも見事な少年の書き手で、僕はもう、無名が色々と熱くなりました。

 描写力やもろもろ凄いのだけど、久しぶりに、文章から草木と空気の手触りと匂いを感じさせてもらえた本でした。

読書

動物たちの自然健康法―野生の知恵に学ぶ動物たちの自然健康法―野生の知恵に学ぶ
(2003/10)
シンディ エンジェル

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最近は宇宙に飽きたので、生物かな、と思ってます。
ところで、この本はとても面白かったし、勉強させられた。

 動物達が、行動や食生活を通じて、先天的に、後天的に自分達の健康を守っていることについて色々書いてある。
 動物は、体内に寄生虫が増えたときには苦い植物を食べたりして、本能的に寄生虫を減らすのだそうな。良薬は口に苦しとはよく言ったものである。他にも、土食でミネラルを取ったりと、もう「へー」としか言いようのない内容ばかりだった。

 特に気になったのは、動物の土葬について。アナグマや、特にゾウは土葬する生き物なのだが、その姿を見て僕達は動物同士の愛情とかを感じて何だかじ~んとするのだけども、はたしてそうなのだろうか。
 野外生活において、死骸の放置は虫や雑菌の繁殖を許し、生活空間の汚染の恐れがある。それを防いでいるだけのことなのではないか。そしてそれならば。
 歴史の時間に、人が人間たりえるのは、埋葬を始めてからだとか習ったけど、それは単に定住の証であって、行動自体は自分達の健康の為だったのではないか。
 いつから埋葬に神聖さが付いたのかは分からないけれど、読んでいてふと思ってしまった。

 動物達は、自分達の体内の異常を感知し、それを直す為にどういう行動を取り、どういうものを食べれば良いのか分かっている。もし僕が自然の中で、何も無く、体調を悪くしたらどうするのだろうか。この本に書いてあった情報どおり、苦い草を食べ、土を食べるのだろうか。また、そうしたとしてもきっと体調は良くならないだろう。表面の土はバクテリアにまみれている。動物が食べるのはもっと深い濾過された土だ。所詮人間の知識はそんなものであり、本能には叶いはしない。

 人は実際強い生き物で、いろんなものを支配できるようになった。だけれども、だからこそ今や一番弱い生き物になってしまたのかもしれない。そう思った。

読書

戦術 名将たちの戦場 (Truth In History)戦術 名将たちの戦場 (Truth In History)
(2006/09/16)
中里 融司

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いやー。面白かったです。各戦いごとの詳細を図つきで載せてある。やっぱ戦国は男のロマンですね。

 川中島の車がかりの戦法もすごいが、個人的には、秀吉と勝家の賤ヶ岳の戦いが大好きです。お互いを知り尽くした者同士の戦いで、千日手になるかと思いきや、若手武将が出ちゃったんですね。
 どこまで耐えられるか。戦術だけでなく、精神的な戦いとしてもとても面白い。かっこいいわー

雑記

いつも本の感想しか書いてないですが、たまには身辺雑記でも

今日はビッグサイトでウイスキーの祭典がありまして、例年通り行って来ました。
昨年よりも出展ブースが減ってた気がするのは、やはり金融不況のせいだろうか。ただ、ブースとは反比例して来場者は多かった。明らかに昨年よりも増えてる感じ。盛況だったのは良いのですが、少しそのせいで身動きが取りづらかったかな。
あと、来場者の増加に伴って、マナーの悪い人も多かったように感じました。会場のテーブルに持ち込んだおつまみを広げてグループで占拠して飲むのは、個人的にはどうだろう。とてもシックで大人なイベントだったので、そこだけが残念。
 
さて。文句はさておき、内容に関しては、例年通りお得なイベントでした。試飲はし放題で、普通では手の届かない物も飲めたりと、いつもながら素晴らしいイベント。今年は初めて知ったタリバーティンが中々美味しく、新規開拓が出来て満足満足。

セミナーのダンカンテイラーも、レアモルトのテイスティングのほかに、お土産もくれて、いたれりつくせり。ほんと、良いイベントだなあ

ただ、あの人ごみを考えると、会場が広くならないなら、来年はどうしようかとちょっと要検討かなあ。そんな一日

読書

お笑い進化論 (青弓社ライブラリー)お笑い進化論 (青弓社ライブラリー)
(2005/05)
井山 弘幸

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 パラレルワールドとしてのコントだとか、ズレの論理だとかもろもろ書いてるわけだが

       結局、何をすれば、確実に人を笑わせられるか、ということは
  
                  わからない! やっぱり、わからない!

                         そう書いてました

読書

借金取りの王子借金取りの王子
(2007/09)
垣根 涼介

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 リストラの面接を請け負うコンサルティング会社の社員の真介が主人公。各章ごとに、リストラに直面させられた人目線で話が進み、合間合間に真介目線で話が進む。
 
 こういう社会人小説がリアルな実感を伴って読めるようになってきたことに、なんだか老いを感じてみたり。
 
 断章ごとに真介目線で話が進むのは面白かった。僕なら完全に相手目線しか入れずに、ミステリアスな感じを強調させただろうなと思った。
 なんか、素直に面白く読めたのだが、真介と彼女の話が残念。せっかく最後に客としての彼女を持ってきたのだから、二人の関係を仕事とあわせてドラマティックにしたら、エンタメ小説として面白いものになったのではないかと思う。
 ま、でも楽しく読めました。

読書

群雄割拠と天下統一 (ビジュアル版 日本の歴史を見る)群雄割拠と天下統一 (ビジュアル版 日本の歴史を見る)
(2006/03)
小和田 哲男井沢 元彦

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ほんと、江戸時代本って唸るほどあるのに、どうして戦国時代本って思ったより少ないのかが僕には謎です。一番男のロマン溢れる時代だと思うのだけど・・・
 まぁ、実際、確かに江戸時代は時代風俗的に面白いのは分るけども。

 とりあえず、なんだかんだ言いながら、北条も上杉も徳川もみんな貴種かよっ! ボンボンかよっ!
 そう思うと、やっぱり秀吉ってすごいな、と思わされますね。

読書

サキ短編集 (新潮文庫)サキ短編集 (新潮文庫)
(1958/02)
サキ

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名手、サキの短編集。

 面白いのだが、少し冗長気味の描写には時代を感じさせられた。やっぱり僕はO・ヘンリーあたりが一番好きですね

読書

いつか、キャッチボールをする日いつか、キャッチボールをする日
(2007/10)
鯨 統一郎

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 うーん。若干しつこいほどの野球のデータや固有名詞はしつこいだけなので、どうかと思った。

 ストーリーは予想を裏切らず、単調。この内容で読者を感動させたいならば、もっと細かい心情描写などが必要だと思った。

読書

トリック2 シナリオトリック2 シナリオ
(2002/10)
蒔田 光治福田 卓郎

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 やっぱりトリックは面白いですね。

 でもシナリオ段階だと、あの上田のキャラクターや矢部の設定などがまだ固まっていなくて面白かった。削られた小ネタも最高

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スローカーブを、もう一球 (角川文庫 (5962))スローカーブを、もう一球 (角川文庫 (5962))
(1985/02)
山際 淳司

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 野球小説って大好きなんです、僕。映像がない分、自分で選手や球児の汗や砂埃を想像させられ、逆に鮮明に光景が見えてくるような気がするんです。
 この本は、僕にしては珍しくノンフィクション。色んなスポーツ選手の光と影を追って日本ノンフィクション大賞を受賞した本なのです。
 「江夏の21球」は日本シリーズに登板した江夏の繊細な心情が描かれていて、もう監督がブルペンに控えの投手を送って傷つく江夏の気持ちなど、もう、あーうーという感じでもう切なくて。あー
 
 スポーツは草野球程度しか出来ないけれど、全力でストイックに戦うスポーツ選手というのは、本当に美しいなあ、と思いました。

読書

ふたりジャネット (奇想コレクション)ふたりジャネット (奇想コレクション)
(2004/02/07)
テリー・ビッスン

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「もう、あなたっていつもそう。奇想コレクションばっかり!」
「そんなこと言うなよ。俺にも付き合いってもんがあるんだ」
「もういいわよ!」

 そんな感じで終わらない奇想コレクションに若干ツラクなって来た感もある僕です。
 だが、これは、面白かった。最近このシリーズは僕の好みとズレていたのだけど、これはドンピシャ。星3つです。

 1発目の「熊が日を発見する」の不条理感と、最後に漂う暖かさと切なさにやられ、そうかと思うと「アンを押してください」のアイディアに参り、「冥界航海士」で土下座し、「万能中国人ウー」シリーズでダメ押しされてしまった。
 色んな作風の作品を見事に書き分ける。その筆力には感服せざるをえない。この感動はダン・シモンズ以来です。

 とくに「冥界航海士」は凄まじかった。死後の世界にダイブする盲目の画家。そこに描かれる冥界の姿はあまりに生々しく、毒々しいほどに美しい。美しく、おぞましい。それだけの世界を描ききる圧倒的な描写力は素人の僕にも並外れたものがあることくらい理解できる。
 
 あー、もうもっと書きたいのだけども、良い言葉が出てこない。この感動を描写するだけの語彙力すら僕には無い。素晴らしい作品を読むと、嬉しくなる。でも同時に、自分の力の無さをまざまざと見せ付けられているような気がして、少し、悲しくもなる。こんなにも言葉が近くにあるのに、とても遠い。

読書

お笑い芸人になる方法お笑い芸人になる方法
(2007/08)
西条 昇

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 笑い強化月間につき

読書

人類滅亡と13のコント集―もう笑うしかないのか?!人類滅亡と13のコント集―もう笑うしかないのか?!
(2005/03)
日本テレビ、

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脚本強化月間中。

 まぁ、そこそこ面白かった・・・が、地球滅亡する意味とかはあるのだろうか、と色々シチュエーションがもったいなかった。もっと色々出来た気もする。及川奈央の菩薩様は見てみたかった

読書

パペットマペットの4コマショートコント大作戦パペットマペットの4コマショートコント大作戦
(2004/04/28)
パペットマペット

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 いや、本だったら何でも良いと言うわけではないけれども、やっぱ「笑い」について探るにはお笑い本を読むのが一番だと思うわけですよ。そんなこんなでアマゾンで買ってみた。

 感想。写真で4コマ漫画のようになっている本なので、文章の形が欲しかった僕としては残念。
     いやー、でも、うしくんとかえるくん可愛いわーw       だめだこりゃ

読書

テレビドラマ代表作選集〈2005年版〉テレビドラマ代表作選集〈2005年版〉
(2006/03)
日本脚本家連盟日脚連=

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 05年に賞を受賞したテレビドラマの脚本集。どれも見事だったが、やっぱりちゃんとしたドラマ性のある作品を書くにはそれ相応の時間はいるよなー、と痛感もさせられた。
 
 まぁ、10分程度じゃ紺とくらいしか書けないですって。僕の力不足もあるのはもちろんだけど。
 
 4ティーンとかは、原作を読んでいたから綺麗にまとめたなぁと思った。感じたのは、どれも「転」があるな、ということ。当然と言えばそれまでだけど、なにかしらの困難が生じて、乗り越えるなり現状維持するなりしないと、面白くないですよね。そうですよね。

読書

異聞関ケ原合戦異聞関ケ原合戦
(2000/04)
古川 薫

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関ヶ原にしても幕末にしても、それらが面白いのは、やっぱりドロドロした人間関係と様々な駆け引きがあるからだろうなぁと思うわけです。

 関ヶ原だって、石田三成と家康の、武断派と文治派の争いと言う側面はもちろんあるにしても、やはり将来をある程度見据えた上で打算的に家康についた武将も少なからずいるわけで。
 そう思うと、昔は良かったとか言いますが、結局いつの世も人は代わらぬものかなあとしみじみ思ったり。
 でもそんななかで、いわゆる「漢気」としてそれぞれについた大谷吉続とか、伊達政宗とかはカッコイイなあと思うわけで、事実裏切った武将達は、その後もあまり家康には優遇されてないようです。
 簡単に裏切る奴はいつか自分も裏切るかもしれないと言う理論。ごもっとも。
 結局、いつだって、自分の信ずるまま生き、なおかつ、結果を出すこと。そういうことなんでしょう。信頼が結果を生むのではなく、結果が信頼を生む。そういうことを考えさせられる歴史モノというのは本当に面白いなあ、と思いました。
 
 あ、とりあえず、やっぱり小早川秀秋はダメな武将だったことはよく分ったw

読書

学校の事件学校の事件
(2003/08)
倉阪 鬼一郎

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 久しぶりにホラー読んだなぁ。いや、ホラーと知らなかったものだから、こういうタイプか!と読み出して驚いたけど面白くて寝る前に一気に読んでしまって、あげく電気を消したら、なんとも怖くなるというまるで子供のような感じを味わってしまった。

 吹上という田舎を舞台に作品は始まる。主に学校を舞台にいくつもの不気味な事件が起きるという連作形式。しかもその作品それぞれが着実に絡み合っている。

 小さい頃のトラウマだとかストレスだとか、変な新興宗教だとか、外見はぱっと見分らないんだけど、その内面は静かに何かが狂っていく人達。そしてその人の抱えている物が臨界点に達した時、彼らは爆発する。
 精神的に内にこもって行く感じと、閉鎖的な舞台。オカルトも含めて、田舎という空間の使い方が上手かった。
 元校長の父親の存在感に潰される教師など、土着の場所でしか起こりえないことを上手く生かしていて、凄いなあと思った。
 
 倉坂さんは初めて読んだけど、なかなか素直に面白かった作品でした。

読書

宇宙 最後の3分間 (サイエンス・マスターズ)宇宙 最後の3分間 (サイエンス・マスターズ)
(1995/11)
ポール デイヴィス

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これは、いつものように途中から良くわかんなくなったけど面白かったなぁ。

 宇宙の可能性に色々触れ、宇宙の最後についての描写もしてくれる。
 創作意欲の湧く本です

読書

親ゆび姫/占っちゃうぞ―宮藤官九郎シナリオ集親ゆび姫/占っちゃうぞ―宮藤官九郎シナリオ集
(2003/02)
宮藤 官九郎

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 特に詳しくないから、どこがどう凄いのか上手く説明は出来ないんだけど、いや、面白かったですよ。
 昔、深夜に連ドラで放送されてたらしいですが、全然知りませんでした。まー、視聴率は伸びるほど凄いか、と言われるとそうでもないんだけど、なんつうか、手堅く面白いですよねー

 どうでもいいけど、親ゆび姫のヒロインは栗山千明がやってたらしいのですが、こういうカルト的な役をする栗山さんはぜひ見たかったですね。

読書

関ヶ原合戦と大坂の陣 (戦争の日本史 17) (戦争の日本史)関ヶ原合戦と大坂の陣 (戦争の日本史 17) (戦争の日本史)
(2007/10/15)
笠谷 和比古

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 ありそうで意外にあんまり無い、関ヶ原モノ。ちょっと読みたかったので良い本があって良かった。やっぱ関ヶ原は男のロマンですよねー。

 小山の評定直後、豊臣系で徳川についた武将達と、家康との心理戦とかなかなか手を握るものがあって面白いです。
 あと、興味深いのは、小早川が裏切ったのは有名すぎる事実だが、他にも吉川家が内応者としていたところ。
 先陣の吉川がのらりくらりして時間を稼いで、そのせいで毛利家が出陣できないハメに陥る。

 そこまでは良いんだけど、よく考えれば小早川も吉川も毛利伝来の重鎮ですよねー。毛利の両川っていうし。よりにもよって切り崩しとして毛利家を狙われた理由とか、また裏切っちゃった理由とか考えるといろいろ面白いなぁ、と。
 毛利家の衰退とかは、五大老だからありえないし。てか西軍の大将だし。いや、そこらへん両川はあくまで元就が好きで、ほかの主君は興味ないっスーてか毛利家とかもうどうでもよくね? みたいな奴だったのかもしれない。そこらへんでアニメ一本作れるな、とかくだらんこと思ったけど、歴史モノは服とか小物がメンドイから大変ですね。うーん、やっぱ面白いなあ

読書

悪魔の薔薇 (奇想コレクション)悪魔の薔薇 (奇想コレクション)
(2007/09)
タニス リー

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「まいどー、奇想コレクションですー」
「そうねー、今日はお味噌とお醤油を貰おうかしら」

 そんな感じで奇想コレクション。今日はファンタジーの女王タニス・リー
 王道ともいえる吸血鬼モノなどで攻めてきます。

 「別離」では、死が近づいた従者が、吸血鬼である主のために新しい従者を探すと言う話。これまた王道で良い話なのだが、その忠誠心が、愛なのかそれとも吸血鬼の力の魔力によるものなのかで悩ませたら面白かったかもと思ったのは、やはり僕が純文学畑の人間だからだろうか。

 吸血鬼・魔女・幽霊といかにもな登場人物たちで、それぞれそこそこ面白いのだけれども、困った事実に直面してしまった。なんと、僕はファンタジーはあまり好きではないのだ! わーお
 しょうがないよなー、と呟いて、僕は一読して静かに表紙を閉じたのであった。
 終わらない奇想コレクションに飽きてきた今日この頃

読書

泥棒たちの昼休み (講談社文庫)泥棒たちの昼休み (講談社文庫)
(1999/11)
結城 昌治

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 山本譲二とか刑務所ものは大好きなんですが、結城さんも書いていたとは知りませんでした。刑務所の中に生きる人って、なんだか人生の酸いも甘いも知っているような気がして、思わず頭を下げてしまいそうな神々しさも覚えそうです。

 作品は刑務所を背景とした連作。章ごとに一人一人が身の上話を思い出し、語っていく。
 完璧な計画だったのにふとしたことから発覚したり、相手を騙そうとして騙されたり、善意のつもりがすっかり騙されて自分だけ実刑を受けたり。
 色々な人の生き様を見ていると、どこにも明確な善悪は無くて、良い人悪い人って何だろう、と考えてしまう。色んな事情があったりして、そういうことを考えると、人が人を安易に裁く裁判員制度はホントにどうだろうと思ってしまうけれど、それを語るつもりも無いので、ここで止めておきます。

 淡々と身の上を語る語り口はとてもユーモラスで、刑務所だと言うのに、悲壮感はどこにも無い。いや、刑務所だからこそ悲壮感が無いのかもしれないけれど。
 このなんとも言えぬ明るさこそが、僕が刑務所モノが好きな理由なのかも、しれない。

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おバカさん (角川文庫 緑 245-2)おバカさん (角川文庫 緑 245-2)
(1962/08)
遠藤 周作

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 僕は文学というものが分らない。高橋源一郎や中原昌也みたいなポップなやつも文学だし、ドストエフスキーみたいなガチなやつも、もちろん文学だろう。ただ、僕に言えるのは、あくまでそれらが文学らしい、という事であって、ある日突然、いや実は文学じゃありませんでした、と言われたら、ああそうなんだと納得してしまいそうなレベルでもある。

 そう、文学なんてよく分らないのだ。
 そんな僕でも、文学について胸を張って言い切れることがある。
 遠藤周作は、間違いなく文学だ、ということだ

 フランスから来たガストン・ボナパルトはナポレオンの子孫だと言うが、馬面でひょろ長い彼の姿にナポレオンの面影は無い。
 彼が何故日本に来たのかは最後までよく分らない。だが、とにかく人を信じよう、と決心して殺し屋の遠藤についていくガストンは、白痴を通り越して神々しさを覚える。

 遠藤さん自身がカトリックということで、彼の作品はキリスト教観が入ることが多いのだが、今回もガストンの姿はまさしくキリストの姿であると言っても過言ではないだろう。
 この主人公は日本人であってはならぬ。あくまで異端の者ー外国人でなければならないのだ。だからこそキリストと二重性が浮き彫りになってくる。

 愚直に人を信じ続けるガストンの姿。そこから何故か目を背けてしまうのは、僕の心の中に少しでも罪悪感が残っているからなのか。
 
 小説としての完成度もさながら、分りやすい普遍的なテーマと読者への問いかけ。読み終わってから僕達は少しの間、真剣に考えようとしてしまう。
 もう一度改めて言おう。そう、これこそが文学なのだ。

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