サイトマップ
読書とギターとブログと |2008年12月
FC2ブログ

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

読書

シンカのかたち 進化で読み解くふしぎな生き物シンカのかたち 進化で読み解くふしぎな生き物
(2007/03)
北海道大学CoSTEPサイエンスライターズ宮本 拓海

商品詳細を見る


 虫が好きで、たまに、虫の本を読むと、色んな面白昆虫の話が載っている。アリそっくりのアリグモや、奴隷制を未だに使うサムライアリとか。ゴキブリのくせに綺麗なルリゴキブリなんかも面白いですね。
 思えば、逆に考えると、虫とか生き物からしたら、僕達人間も面白い生き物なんでしょう。社会的生き物だったりそうでなかったり。孤独相の人間もいたり。ときどき雌雄同体もいるぞ。面白いもんです。

 そんな感じで虫や動植物含めた色んな変わった生き物のお話。
 まるで歩いているような動きをするウオーキングパームや、不死身のクマムシなどなど。世の中には色々な生き物がいるんだなぁ、としみじみ思い、まさかー、と思う面白生物がいたりと、結構楽しめた本でした。
 個人的にはシロアリの卵に紛れて巣に入り、世話までしてもらうカビ、ターマイトボールが一番面白かったかな。虫の中ではよく聞く話だけど、まさかカビがねー

 
 ちなみに、本年度の更新は以上です。また来年お会いしましょう。
 それでは、良いお年を
スポンサーサイト

読書

失われた探険家 (奇想コレクション)失われた探険家 (奇想コレクション)
(2007/05)
パトリック マグラア

商品詳細を見る


 せっかくだからコンプリートしたいのだけど、意外に多い奇想コレクションシリーズ。今回はパトリック・マグラア

 マグラアの文章はとても丁寧だ。まるでチェックポイントのように確実に句読点を刻み、時に冗漫とも思えるほどしつこく詳しい描写は、時代性を感じるし、疲れもする。長編でこの文体は少し、読んでてしんどいかもしれない。ただ短編においては、それはほど良いしつこさだ。
 
 作品に通じる少し歪んだ宗教観。イギリスの植民地感などはなんとなくキプリングを思い出す。もっと幻想めいているけれど。

 マグラアは語りのトリックの名手だ。「アーノルド・クロンベックの話」など、少し引いた所にいる主人公で語られる物語は、その主人公が語るという特徴をふんだんに生かして、最後に見事に裏切ってくれる。そこには単純な驚きあり、先入観あり、狂気ある。僕達がいかに、偏見を持ってモノに触れているかをはっきりと洗い出してくれる。
 
 独特の味を持つ作家なのは確かだ。だが、上手いのも確かだ。様々なジャンルとテーマを自在に扱う短編の名手。勉強になりました。

読書

徹底図解 宇宙のしくみ―太陽系の星々から137億年彼方の宇宙の始まりまで (カラー版徹底図解)徹底図解 宇宙のしくみ―太陽系の星々から137億年彼方の宇宙の始まりまで (カラー版徹底図解)
(2005/11)
新星出版社編集部

商品詳細を見る


宇宙ってロマンですよねー。

 宇宙のあれこれにかんして広く浅く書いているので、ちょっと興味在るくらいの人に最適の本。文型にはこれくらいがちょうどいいですね。ホーキング先生はレベル高すぎです。
 ブレーン宇宙とかなんとなく分かった気がするけど、何より、フォン・ブラウンってかなりすげえ人だったということは、よーく分かった。

読書

大いなる助走 <新装版> (文春文庫)大いなる助走 <新装版> (文春文庫)
(2005/10/07)
筒井 康隆

商品詳細を見る


君も大好き、僕も大好き、みんな大好き筒井康隆。
 
 この「大いなる助走」は閉鎖的で権威的な文壇をパロディ化したもので、その内容の過激さで出版当時からわりと話題になっていた本。
 ただ単に文壇の悪口を書いているだけならヒドイけれども、筒井さんはきちんと面白いからニクイ。その中に文壇への皮肉や、出版界の現実などがさりげなく織り込まれている。面白いなぁ、ちくしょう。

 内容は、地方の同人雑誌に載った主人公の作品が大手出版社の文芸雑誌に取り上げられ、有名文学賞の候補になるという話。その中で地方同人界の薄汚れた人間達や、金と利益にまみれた中央の編集者や選考委員達。地方の劣等感や、純文学の空っぽな権威などが、結構どぎつく書かれる。また、雑誌名なども知ってる人なら非常に分かりやすい程度のもじりで出しているため、これは大丈夫なのか?と思いつつもニヤニヤしながら読むことが出来た。文学事情に詳しくなくても、読物としても普通に楽しく読める。

 これがどこまで真実を脚色したものかは分からないけれど、なんか、みんなが見てみぬふりをしている「文学」ということばや、文壇っていったい何なのだろうと思い、自分の心もぐらつき、やっぱり自分も権威的な文学に憧れる俗物だったのかいや違うそうじゃなくて僕は純文学のテクストの多様な読みの面白さ美しさに魅せられて本を読んでいるんだそうなんだきっとそうなんだいやだけどちょっとまてよ
 などどループするゲシュタルト崩壊をおこしそうになってくるわけですが、本当に、文学って、小説ってなんだろうな、と思う。

 単純に面白ければ良いのか。けれども、言葉ってなんかやっぱりそれだけでは無い気がする。この答えの出ない問いは死ぬまで続くのだろう。

 しかし、こういうのとかエキセントリックなのを書いてもある程度許されてしまうのは、というか読めてしまうのは、見逃しがちだけど筒井康隆が半端ない教養人だからなんだと思う。
 確かに筒井さんはよく純文学批判をするけれども、誰よりも、おそらく純文学畑の人よりも文学を読んでいる。

読書

鬼平と出世―旗本たちの昇進競争 (講談社現代新書)鬼平と出世―旗本たちの昇進競争 (講談社現代新書)
(2002/05)
山本 博文黒鉄 ヒロシ

商品詳細を見る


 そういえば、水戸黄門やら暴れん坊将軍やら、勧善懲悪の時代劇モノって、徳川政権時代の話が多いですよね。なんでだろう。
 
 そんな時代劇の一つ、鬼平シリーズの鬼平こと長谷川平蔵とその時代の出世についての話。

 鬼平と銘打ってはいるが、鬼平の話はあまりなく、ほとんどその周りの人々や時代について触れてある。鬼平はデキル人だったが、上役の受けが悪くて出世できなかったということはよく分かった。

 徳川政権は平和だから、武芸で功をなすわけも行かず、武士の名誉は出世だったのだろう。田沼時代もあって、蹴落としたり、ワイロ贈ったり。それなりの地位は保証されてるのに、上を貪欲に目指す姿は、いつの時代も変わらぬものだなぁ、と思う。

 寄合頭になっても、寄合に出すブランド和菓子のために数十両使ったり。はたから見ていると無駄で愚かな行為に思えるけれど、当事者だったら僕も同じことをするのだろう。面子や矜持をバカにしてはいけない。
  

 他人に認められたい、という思いは時代を超えて変わらず、人の性なのだなぁ、と自戒を込めてしみじみ考えさせられた本だった。

読書

ある生き物の記録 (1982年) (集英社文庫)ある生き物の記録 (1982年) (集英社文庫)
(1982/04)
小松 左京

商品詳細を見る


 星さんが長編偏重の風潮にケンカを売ったのだとしたら、筒井さんは純文学とか文壇にケンカを売り、小松さんは文明とか社会にケンカを売った人なのだと思う。

 SF御三家の中でも特に小松さんの作品からは、戦争への思いや、環境への思い、社会への思いがはっきり伝わってくる。
 
 この作品集も同様で、そこに隠された小松さんの主張に、僕は時々どきっ、とさせられてしまう。
 以前、小松さんが「環境汚染なんてほっておけばいい。3億年すれば元に戻る」と発言していて、僕はとても衝撃を受けたのだけれど、いつも遠い、遠い先を見ているような小松さんには、僕達の見えてないものが見えているのだろうか。それとも僕達があまりにも物事を見ようとしていなさすぎるのだろうか。ちょっと考えさせられてしまった。

読書

UFOとポストモダン (平凡社新書)UFOとポストモダン (平凡社新書)
(2006/02/11)
木原 善彦

商品詳細を見る


 宇宙の棚に置いてあったけど、なんか違うよねw

 UFO神話と社会の変化について述べてあって意外に面白い。
 空飛ぶ円盤時代から、友好的なエイリアン時代と続き、そこからアブダクション時代となって、異生物時代。確かに時代と共に、オカルトの内容は変わっている。もはや今の時代に「未知の遭遇」や「ET]みたいな映画は流行らないだろうし、代わって「プレデター」とかが出だしたのが良い例なんだろう。

 それはそうと、有名な灰色のグレイ宇宙人を見たという夫妻が、当時は珍しい黒人と白人の夫婦だった、という話はとても面白いと思いました。

読書

「不思議の国のアリス」症候群「不思議の国のアリス」症候群
(1993/12)
角田 昭夫

商品詳細を見る


 色んな文学の中の医療に関する話を抜き出してきて、その病気について論じる。

 まぁ、文学の病気で、昔の有名どころだと結核とか猩紅熱とかなんだろう。今はやっぱりエイズとか末期ガンとかかな。時代と共に病気は変わり、文学も変わっていくのです。こういうの研究すると社会学に近くなりそうですね。

 文中には小人病も載っているのだけど、中世ヨーロッパでは小人は逆に王のお抱えとして地位が高かったのに、フーコー曰くそれが18世紀あたりから異端として排除されるわけで。
 病気って何でしょうね

読書

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)
(2005/09/03)
ダグラス・アダムス

商品詳細を見る


 これは面白かった。ダグラス・アダムスの代表シリーズの1作目。

 ある日地球が消滅して、アーサーと宇宙人フォードは、銀河ヒッチハイク・ガイドを片手に銀河を放浪する。
 銀河ヒッチハイク・ガイドとは、銀河の様々な情報が載った究極の百科事典のようなもの。そのガイドが作品中で注釈と言う形で挿入されるのが違和感なく上手い。

 不可能性ドライブとか、ホーキング先生の本を読んだ後だと、バカバカしくて笑うしかないのだけど、スペースオペラは心から素直に笑えるから大好き。
 宇宙物理学とかどんだけ無視しようとも、宇宙には金銀の流線型の宇宙船が飛び回り、金星や火星には変な形した金星人や火星人が住んでるべきなのだ。
 そのほうが、夢がある。

 最終的に、実は宇宙の支配者はネズミだった!的な話に飛んでいくのだが、そのアホらしさがたまらなく楽しい。それでいて、意外に哲学的な内容も盛り込まれているからあまり侮れない。
 
 いやー、やっぱりSFって、良いですよね。

読書

上方落語 桂枝雀爆笑コレクション〈3〉けったいなやっちゃ (ちくま文庫)上方落語 桂枝雀爆笑コレクション〈3〉けったいなやっちゃ (ちくま文庫)
(2006/02)
桂 枝雀

商品詳細を見る


 枝雀師匠の落語コレクション。毎度おもしろいですね。

 今回は名作中の名作、「饅頭こわい」が収録されてます。内容は有名なんだけど、落語としてちゃんと読んだのはもしかしたら初めてかもしれない。
 他にも「池田の猪買い」とかは米朝師匠と比較してみるとなかなか面白かったり

読書

冬物語 (文春文庫)冬物語 (文春文庫)
(2002/01)
南木 佳士

商品詳細を見る


 南木佳士の短編集。地方の病院に勤める医師が、患者や父の死など様々な死について思いを馳せる話が連作と言う形で収録されている。

 死とはいってもワザとらしいお涙ちょうだいモノではなく、また死の惨さや悲壮感を強調した作品でもない。静かな文体で、優しく語られる物語には、死を受け入れようとする暖かさが滲み出している。
 南木さん自身が医者だった経験もあり、実体験に基づいた死の描写は、押し付けがましくなく、すっと心に染み渡る。

 少し前なら、うん、良い作品だ、とさらっと読んで脇に積んで次に取り掛かったのだろうと思う。良作だが、どこか達観したこういうタイプの本は、僕にはあまりにも薄味すぎていたはずだった。
 だが、数日前に高校時代の親友を亡くした今、読んだこの本は、驚くほど、僕の心を優しく撫でてくれた。暖かい、そう感じた。

 最近の現代文学は、パワフルで面白い。だが、10年、20年後、年をとってから読みたい本は、こういう本であったり、遠藤周作や安岡章太郎であったり、少し昔の達観した人たちの文学なのかもしれない。

 少しだけ大人になって、少しだけまた新しい文学を知ることが出来た。同時に、少しだけ年をとったのだな、とふと思った。

読書

高杉晋作 (文春新書)高杉晋作 (文春新書)
(2002/03)
一坂 太郎

商品詳細を見る


 幕末の人で誰が好きかと言われると、高杉晋作と答えるのだけど、その割りに僕は歴史の教科書に載っている以上のことを知らないなと思って借りてみた。

 ただ、結論として、教科書に載っている以上のことは書いてなかった。まぁ、詳しく書いてくれてはいるんだけども、そうだったのか!的な発見はなかった。
 逆に考えると、行動のほとんどは教科書に載ってるわけだから、やっぱり凄い人なのだろう。

 ちょっと驚きは、高杉家は意外にそこそこ名家らしく、そこそこ恵まれた家庭だったらしい。坂本竜馬といい、なんだかんだそれなりに裕福な家が多いのは、何をするにもやっぱり金だということだろうか。伊藤博文は貧乏なのに偉いなぁ。

 

読書

グレート生活アドベンチャーグレート生活アドベンチャー
(2007/09)
前田 司郎

商品詳細を見る


 劇作家でもある、前田司郎の芥川賞候補作。

 前田司郎は週刊SPAで「心のコスプレ」たるよく分からないコーナーを連載していて、読者が良く分からない以上に作者もよく分からなくなっているらしく、明らかに連載当初から全然違う方向に迷走も迷走しているのが非常に面白い人です。ちょうど今は巨人軍が熱海で死のランニングをしている最中なので、みんな読んでみよう。面白いぞ。

 そんな前田さんのこの本。内容はまぁ簡単に言うと、ダメなニートが彼女のうちで引きこもる話。だらだらとゲームをしたり、彼女の部屋をあさったりして一日を過ごす、多分にダメな男。
 けれどそこに悲壮感はあまりなく、軽い文体もあいまって、むしろなんだか明るく話は進む。お金もなく、仕事もないことに危機感や、将来への不安も抱えずに、なんとかなるんじゃないかと思い、最後に彼女に「結婚しよう」と彼は言う。そんな能天気な彼のスタンスは最近の就活生に分けてあげたいくらいだが、同時にそのあまりにも現実から乖離した姿に、少しぞっとさせられもする。

 読んでて思ったのだけれど、こういうダメな人を主人公としたニート文学などは、三人称ではなく、一人称でしか成立しない作品なんだろう。
 なんというか、説明しにくいんだけど、周りが見えていない感じや、自分なりの論理で行動する姿を描くには一人称が最適だし、それがなんかおかしくないかい? と読者に違和感を持たせて、よく考えるとヤバイよ、彼、と気づくとぞっ、とする瞬間を演出するのに最適だと思うわけです。

 芥川賞には物足りないから落選も納得だけど、読みやすいし、割かし面白い本だった。やっぱり「心のコスプレ」は伊達じゃないなぁw

読書

怪獣はなぜ日本を襲うのか?怪獣はなぜ日本を襲うのか?
(2002/11)
長山 靖生

商品詳細を見る


 タイトルとパラ見から、怪獣や特撮と社会学をからめた感じの本と思ったらニアミス。最初の章は確かにそんな内容だったのだが、だんだん異端作家についての紹介本になっていって少しがっかりだった。
 
 異端文学は好きだけども、分かるのはせいぜい小栗虫太郎と山田風太郎の章くらいで、他は聞いたこともないくらいマイナーな作家を扱ってるから、「なるほど~」ともいえず、僕はただ「へぇへぇ」と眠い目をこすりこすり呟くのみだった。

 ただまぁ、戦後の象徴としてのゴジラとか、ウルトラマンはアリ型の顔だから集団型で、ライダーはバッタだから孤独型なのだなんて分析はちょっと面白かった。

読書

ホーキング、未来を語るホーキング、未来を語る
(2001/12/11)
スティーヴン・ホーキング佐藤 勝彦

商品詳細を見る


 小さい頃、テレビで見た毛利衛さんの宇宙の映像は衝撃的でした。なんかリンゴを浮かべたり、どこまでも紙飛行機を飛ばしてみたり。あの時の僕の将来の夢は宇宙飛行士だったものです。

 さて。そんな感じで突然ホーキングの本を読もうと思い立って、借りてきました。本当は「ホーキング宇宙を語る」を読みたかったのだけれど、なぜか中央図書館に置いてないので次巻のこれを借りてきた、と。

 とりあえず、感想として、なんで「ホーキング宇宙を語る」はあんなに売れたんだ!?と僕は言いたい。いや、内容が悪いとかじゃなくて、むしろ驚きの連続で非常に面白かったんだけど、難しすぎるだろ、これ。
 専門書ほどまではいかず、ホーキングが出来るだけ優しく語っているのだけど、それにしても難しく、数ページ進むごとに、文字がアリに見え、目頭が重くなっていく・・・
 まぁ、一読してさらっと理解できるなら、今から物理学に転向したら良いんじゃないかと思います。うん。

 ただ、難しさはさておき、面白かった。宇宙が有限の理由だとか、ひも理論は難しいけど、なんか分かったような分からないような。でもひも理論から導き出される影の宇宙理論はなんかワクワクしますよね。
 宇宙って神秘だなぁと実感する今日この頃。

読書

ショートショートの広場 (講談社文庫)ショートショートの広場 (講談社文庫)
(1985/07)
星 新一

商品詳細を見る


ちょっと今週は怒涛に忙しく頑張らないといけないので、ほとんど更新できないと思います。

 さて。星新一の選んだショートショートコンテストの優秀作をまとめた本。星さんの弟子で有名な江坂遊さんの「花火」が載っている。

 作品はそれぞれ上手くコンパクトにまとめられていて、良く出来ているのだが、どうしても星さんの影響が強い作品が多いように思う。いわゆる文体が似ているのだ。
 そのほかの作品だと、急に星さんから反対に外れていってしまう。星さんのあまり好きではないエログロが入ったり、そんな方向にいってしまうようだ。

 ただ、江坂さんはちょっと違う。江坂さんの「花火」は星さんの書かない、書けないような映像性や叙情性を持っているが、それと同時に星さんの作品から香る、品のようなものが、確かにある。

 星さんから技術を伝授され、それに相応しいだけの実力もお持ちの江坂さんだが、ショートショートの発表場の衰退により、あまりその名を知る人はいない。

 出版不況とか、活字の停滞とか言われるけど、実力のある人が売れず、実力が無くても知名度で売れてしまう。それが現実だとは分かっていても、なんだか釈然としない。なんだか悲しい。

 「ぼん、おもろかったかぁ。きれいやったか。いい、いこぉる、えむしぃの、にじょうや」

 美しさと、懐かしさと、そして底冷えする怖さが潜む、この文章。
 僕はこんなに綺麗な文章を書く作家のことを、いつまでも忘れはしない。

読書

ビッグ・サーの南軍将軍 (河出文庫)ビッグ・サーの南軍将軍 (河出文庫)
(2005/11)
リチャード ブローティガン

商品詳細を見る


 「西瓜糖の日々」で有名なブローディガンの作品。

 南軍将軍だったというオーガスタス・メロンの子孫のリー・メロンと私の話。リー・メロンと私は定職を持たず、ビッグ・サーの洞穴みたいなところで暮らす。彼女と遊んだり、時にはヤクでラリパッパしてみたり。
 なんとも不思議な物語。

 形式は「西瓜糖の日々」のように短い断章で区切られている。たぶんブローディガンはこれが好きか、もしくはこれしか書けないのだろう。ただ、西瓜ほど幻想さを狙っていなく、いわゆる小説の形をとっている。

 ちょっと変わったリー・メロン。作品後半でオーガスタス・メロンは南軍将軍でなかったことが暗示されるが、それをリーが知ることも無く、またその将軍であったことから何か起きるわけでもなく、むちゃくちゃ破天荒というほどでもなく、なんとも不思議なぬるい感じで話がすすむ。なんとも不思議

 そして、この作品の見事なところは、やはりラストだと思う。

 「そして、毎秒一八六、000の結末へ」

 この作品に明確な結末は無い。様々な結末が現れ、増殖していく。今でこそマルチエンディングという形はそう不思議でもないけれど、書かれた当時を考えると、この発想はすごいんじゃないだろうか。

 ぶっちゃけ、よく分からない作品だけど、引き込まれる何か、というか魅力と言うか。なんとも形容しがたい味ーそれはとても濃い味だーが確かにそこに存在する。ブローティガンの宇宙が存在する。
 その宇宙はきっと、この作品の結末のように増殖し、膨らみ続ける宇宙なのだろう。

読書

上方落語 桂枝雀爆笑コレクション〈2〉ふしぎななあ (ちくま文庫)上方落語 桂枝雀爆笑コレクション〈2〉ふしぎななあ (ちくま文庫)
(2006/01)
桂 枝雀

商品詳細を見る


 枝雀さんの落語コレクション。時々、落語を借りて声に出して読むととても気分がよくなります。やっぱり落語は声に出すと楽しいですね。

 米朝さんも良いのだけれど、僕くらいだと枝雀さんくらいの方が少しゆるいというか、あんまりガチガチじゃんない落語をしてくれるのでとっつきやすくてなんだか好きだなぁ、と。

 色々読むけど、下手な笑いの研究本読むより、落語を一冊読むほうがよほど笑いに関して勉強になる。

読書

オーパーツ大全 (知の冒険シリーズ)オーパーツ大全 (知の冒険シリーズ)
(2005/07/12)
クラウス ドナラインハルト ハベック

商品詳細を見る


 とても心のどこかをわさわさ揺さぶられる感覚がして、図書館の棚を覘いた。やられた!どツボだ! 震える手で本を取り、奥付を見る。やっぱり学研か! 出たな、ムー!

 世界各地のオーパーツについて写真つきで懇切丁寧に説明してある本。水晶ドクロや黄金ジェットから、ツタンカーメンのラッパまで、古今東西のオーパーツが紹介されている。いやあ、面白いぞ。

 読みながら、なんかクセのある文体だな、と思っていたら、謎が解けた。この本、「~ではないだろうか」とかの反語が多いのだ。非常にムーっぽい。
 確かに、科学的に立証されてないものばかりだから、「~である」と断定しちゃまずいんだろうで。なるほど、オカルトのオカルトたらしめている一部分を知った気がする。

 僕は別にオカルトを盲目的に信じるわけではないけれど、ダーウィンやガリレオが異端と言われた時代もあるわけで、今の常識もある日ひっくり返るかもしれないわけで。だから、むやみにオカルトをバカにするのもどうかと思う。もちろん、とりあえず宇宙人って言うのもどうかと思うけど。
 ただ、何より、夢があるじゃないですか。ね

読書

おとぎ話の生物学―森のキノコはなぜ水玉模様なのか?おとぎ話の生物学―森のキノコはなぜ水玉模様なのか?
(2007/04)
蓮実 香佑

商品詳細を見る


 おとぎ話に隠された秘密を生物学と絡めて書いていく本。ま、要は空想科学読本みたいな本でした。

 水玉のキノコはベニテングダケとかの麻薬にもなる毒キノコなので、おとぎ話の主人公やマリオ達はハイになっていたんですね。とするとマリオのファイヤフラワーは最近はやりの大麻なのだろうか。イヤッホウ!

 それにしても、僕も知らなかったおとぎ話の意味とかがあって、もうおとぎ話の寿命も近いのではないかと思った。むしろテクストの多様な読みが出来る点では、もはや文学にクラスチェンジの勢いですね。

読書

謎とき昆虫ノート (NHKライブラリー)謎とき昆虫ノート (NHKライブラリー)
(2003/06)
矢島 稔

商品詳細を見る


 個人的に昆虫が好きなので、時々ムシの本を借りたくなる。

 昆虫についての本なので、嫌いな人はダメだろうけれど、読んでみると意外な発見があって面白いものである。雑学用としてもなかなか良い。

 モンシロチョウが紫外線でオスメスを見分ける話は、中学くらいの理科でやった気がするが、全ての蝶がそういうわけではない。アゲハチョウはあの黒い縞々の間隔でオスメスを見分けるらしいですよ。へぇ

 あと、アゲハモドキという、蛾の一種でジャコウアゲハに擬態する虫は、確かに似てるんだけど、なんか海賊版の違法コピーみたいな微妙っぷりで妙に面白かった。 へぇへぇ

 エトセトラ

読書

ヒヨコの猫またぎヒヨコの猫またぎ
(2001/11)
群 ようこ

商品詳細を見る


群ようこさんのエッセイ。

 まぁ、なかなか読みやすく、そこそこ面白い。
 疲れたときや気分転換。はたまた暇つぶしなど使用用途は多用。

読書

願い星、叶い星 (奇想コレクション)願い星、叶い星 (奇想コレクション)
(2004/10/22)
アルフレッド・ベスター

商品詳細を見る


 デザインが素敵でおなじみの奇想コレクションシリーズ。今回はベスターです。

 アルフレッド・ベスターは、そこまで有名ではないSF作家。長編の「分解された男」と「虎よ、虎よ」がかろうじて名が知れているといったところ。そんなベスターの短編集。

 ベスターの特徴を言うなれば、とても面白い会話の使い方をする人だなぁ、というのがまず挙げられる。
  「ごきげん目盛り」で最初に書かれる人々の会話 「ここは調べた。いない」「ここにもいない」「いない」 この問答みたいな会話には、なんだか不思議な感じを受ける。もっと短くコンパクトに省略できるだろう。だが、このデュマみたいな会話表現は良いテンポを生み、ベスター独特の文体を確かに作り出しているし、何よりも、そのテンポは「ごきげん目盛り」の陽気なリズムによく似合うのだ。

 その「ごきげん目盛り」は熱で狂ったアンドロイドが人をころしてしまう話。それだけ言ってしまうと元も子もないが、文のリズムと挿入される歌が非常に良い味を出していて、なかなか面白かった。

 その他は作品ごとで微妙。「イヴのいないアダム」は素晴らしいと思ったのだが、というかこのベスターは、どうも分かりにくいというより、作者が飽きてバッサリ省略しちゃいました的な作品が多い気がする。
 もうちょい詳しく、じっくり書いてくれれば名作が多い気がするのに。「昔を今になすよしもがな」なんて、終わりの唐突っぷりにビックリしてしまった。
 
 そんなベスターがじっくり書いた中篇が「地獄は永遠に」。調子に乗った馬鹿達が地獄を堪能する話。リアル神曲。
 リアルだから、もうえぐいえぐい。その分、迫力と力が伝わってきて、地獄の青白い業火に触れるような気がする。これは凄かった。うん、やればできるじゃん、と思った。なんで筆量ケチるかなぁ。

 
 面白い短編集だったけど、たぶんベスターは長い方が力を十二分に発揮できる人だと思うので、ぜひ次は長編を読んでみたいですね。でも、不思議な味のある人でした。

読書?

雑学おもしろ百科 1 (1) (角川文庫 緑 308-51)雑学おもしろ百科 1 (1) (角川文庫 緑 308-51)
(1982/07)
小松 左京

商品詳細を見る


博識の小松さんが監修する雑学本。

 すごいどうでもいいことばかりだけど、どざえもんの語源が載ってたり、寝転がりながら読むのにちょうどいい感じの本。

読書

らも咄〈2〉らも咄〈2〉
(1993/05)
中島 らも

商品詳細を見る


 らもさんの書く現代落語の2冊目。

 らもさんらしく、どれもセンスとユーモアたっぷりの小咄ばかりで面白いのだが、前作よりも「落語」色が薄れて、小咄というより小話になってしまった気がする。オチもしっくりこないものがあって、少し残念だった。
 
 まぁ、古典落語と比較するからダメなのだって、中島らも落語だと思って読めば、この右に出るものは無いと思うので、良いんではないだろうか。

読書

午後のブリッジ―小松左京ショートショート全集〈5〉 (ハルキ文庫)午後のブリッジ―小松左京ショートショート全集〈5〉 (ハルキ文庫)
(2003/10)
小松 左京

商品詳細を見る


 小松左京のショートショート集。見開き1ページに収まるほどの、本当に短い作品群が詰められている。
  
 展開やオチが予想できるもの、予想をはるかに超えて、ほうとため息をつかされるもの。ちょっとよくわからないや、というもの。
 色々あるけれど、どれにも文明批判などがスパイスとして入っていて、やっぱりさすがだな、と思わせられる。
 

Extra

プロフィール

scapa

Author:scapa
FC2ブログへようこそ!

最近の記事

フリーエリア

フリーエリア

フリーエリア

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。