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読んだ本のこととか、書いていきます

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読書

2009 - 11/24 [Tue] - 23:49

うそつき大ちゃん (ポプラの森)うそつき大ちゃん (ポプラの森)
(2005/07)
阿部 夏丸

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 大ちゃんは町の汚れた川に魚や大きなネズミがいるといってうそつきと呼ばれる。そんな大ちゃんと主人公の話。
 主人公が大ちゃんの行動を理解し、自らを改善させ、周りに影響を及ぼす、という風に最低限のドラマのポイントをおさえているため、それなりに読める本だった。色眼鏡で見るつもりはないけれど、ポプラ社の児童書はエンタメ色が強い所から入ったせいか、そんなに外したものは少ない気がする。
 この本もそこそこ読めるのだが、この本が残念だったのは、ちょっとキャラクターが記号的すぎたかな、という感じ。台詞回しもストレートすぎて、わざとらしさを感じてしまった。
 あとは「うそつき」というポイントが最後少し捻ってあるのだけど、そこがよく意味が分からなかった。さあ、僕だったらここからどう編集するのだろう。難しいね。

読書

2009 - 11/18 [Wed] - 00:14

祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)
(2000/12)
グレッグ イーガン

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何がいいって、タイトルのセンスが良い。これだけで買ってしまいそうになるし、実際に買ってしまったわけなのである。だからSFって素晴らしい。
 
 グレッグ・イーガンのヒューゴー賞・ローカス賞受賞の短編集。表題作を含む11篇の作品が収められている。
 読後感を一言で言うならば、圧倒的という言葉に尽きる。濃密なハードSFの世界がこれでもか、と詰め込まれており、お腹いっぱいになってしまった。
 全編にわたってイーガンらしいアイデンティティの喪失にまつわる話が多い。「ぼくになること」は頭の中に記憶を移した結晶を持つ人々の話であり、自分が人間なのか結晶なのかわからなくなる。それが信仰まで発展させたのが表題作の「祈りの海」となる。

 ハードSFのお手本のような小説なので、耐性のない人にとっては頭が痛くなるような世界観がぐるぐる回るかもしれない。正直、僕も若干専門用語は飛ばし読みした部分があったのも事実だが、それ以上に膨大で細部まで鮮烈な世界の広さに息を呑むことだろう。
 こういうのが好きな人も嫌いな人も、一度は触れていて損はない本。

読書

2009 - 11/11 [Wed] - 00:07

海の空 空の舟 (講談社文庫)海の空 空の舟 (講談社文庫)
(2004/05)
上野 哲也

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 まだまだ、いける、ぞー・・・


 表題作は小説現代新人賞作。
 少年モノの中でも、少年ならではの性についてを含めたパターンの作品。いわばオナニー少年モノである。

 町を去る辰雄が初恋の女の子を思い出しながら、自らの内なる衝動を色んな物にぶつけていく。
 
 主人公は周りに心を開かぬ悪ガキ。その内なるものはドロドロとしていて、爆発しそうに熱い。廃屋の屋根に上って、瓦の上で全裸オナニーをするくだりは、思わず笑ってしまいそうになった。でもまあそれだけの暑苦しさは嫌というほど伝わってきた。
 冷静に見ると、ストーカーじみていてわりとダメな主人公なのだが、性に目覚めつつある少年の話というととても聞こえが良いのは何故だろう。

読書

2009 - 10/31 [Sat] - 00:13

くらしのきもち (集英社文庫)くらしのきもち (集英社文庫)
(2005/01)
大橋 歩

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 文芸の新人賞を受賞した、大森兄弟の作品を読了。何より驚かされるのが、兄弟で書いたにもかかわらずとても端整で統一の取れた文章。まるで二人でピアノの連弾をしているような、そんな心地よさ。
 そんな文章に引っ張られて、どんどんページをめくらされる。飼い犬となんか変な友人の話が主だが、ただの青春小説かと思わせておいて、着実に皆が狂っていく様は、久しぶりにぞくりとさせられた。文藝らしい、と言ってしまえばそれまでなんだけど、僕は文句なしに拍手を送りました。
 話題性もあるし、実力もあるし、何より支えあっていける最高のパートナーがすでにいる、という点で、息の長い素晴らしい作家になってほしいと思いました。


イラストレーターらしい作者のエッセイ。

 僕は「他人の悪口を言う人間は嫌いです」みたいなことをのたまう人はロクでもない人間だという信条を持っているので、ああ、この人はそういう人なんだ、とかすごく失礼なことを思いました。
 
 全体的に謙虚な発言をしているようで、その全てがなんだか上から目線な文章ばかりで、わりとイラッとしました。

読書

2009 - 10/29 [Thu] - 00:21

アトムたちの空アトムたちの空
(2005/10)
大城 貞俊

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 だから少年モノはいかんって。とりあえず泣けてくるやん。

 沖縄あたりの離島に引っ越した主人公一家。その離島での様々な日常が描かれた本。

 本島と離島との生活の違いや、イジメがあると匂わせておいて全然無いとか、アトムそんなに関係ないとか、消化されていない部分は確かにあるのだけれども、ドラマ性を意識せずに離島での日々を描いたと言えば通じるし、そうした瑣末な部分を踏まえても、補って余りあるほどの臨場感と迫力がこの本にはある。
 沖縄近くということで、特徴的な方言や戦争の記憶など、ディテールの細かさがこの本の厚みに繋がっているし、そうした環境の中で生きる、少年の古き良き青春の姿はに、どうしても涙を誘われてしまう。
 ムラ社会特有の閉鎖性と温かみ。そうしたものは、文明社会におぼれてしまった僕達には遠い世界だ。それが良いことなのか悪いことなのかは分からないが、少しだけ、うらやましいと思った。

 余談だけど、この本、文の京文芸賞受賞作らしいです。さすがに初めて聞いた名前の賞で、なんだこりゃと思ったら、なんか東京都の文京区がやってる賞らしいです。まぁ、いろいろあるもので。

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